2026.05.29
業務用空調を使っている工場や店舗、オフィスで、リモコンに突然エラーコードが表示されると焦りますよね。
特にGHP(ガスヒーポン)は、電気式の業務用エアコンとは構造が異なり、ガスエンジンやスタータモータなどの部品が関係するため、表示されたエラーだけを見て簡単に原因を判断するのは難しい設備です。
今回取り上げるのは、パナソニックGHP(ガスヒーポン)のエラーコード「A23」です。
A23は「クランク角センサ異常」に関するエラーですが、実際の現場ではセンサーそのものではなく、スタータモータの劣化が原因になることもあります。
この記事では、茨木市内の食品工場で実際に発生した修理対応事例をもとに、A23エラーの意味、考えられる原因、診断の流れ、担当者が注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

パナソニックGHPのエラーコード「A23」は、一般的にクランク角センサ異常に関するエラーです。
簡単にいうと、室外機のガスエンジンを起動しようとしているのに、エンジンが正常に回転している信号を検出できない状態です。
GHPのエラーコードはメーカーや機種によって内容が異なるため、まずは対象機器のメーカー・型式・エラー表示を正確に確認することが重要です。パナソニックGHP全体のエラーコードを確認したい場合は、ミヨシテックのパナソニックGHP(ガスヒーポン)エラーコード一覧も参考にしてください。
A23は、スタータモータを作動させるための電流は検出できているものの、エンジンが回転している信号を確認できない場合に発生します。
ここでポイントになるのが、A23=必ずクランク角センサだけが悪い、とは限らないという点です。
表示上はクランク角センサ異常であっても、実際にはスタータモータの動作不良、エンジン側の不具合、コンプレッサー側の不具合などが関係している場合があります。
そのため、リモコン表示だけを見て部品を決め打ちするのではなく、メーカーの故障診断フローに沿って原因を切り分ける必要があります。
GHPは「ガスヒートポンプ」の略で、ガスエンジンの力でコンプレッサーを動かす業務用空調です。
一方、EHPは電気モーターでコンプレッサーを動かします。
冷暖房の仕組み自体はヒートポンプサイクルを使いますが、GHPはエンジンを搭載しているため、EHPとは点検・修理の見方が異なります。オイル管理、点火系、エンジン系統、スタータモータ、各種センサーなど、GHPならではの確認項目があります。
GHPとEHPの基本的な違いを整理したい場合は、GHPとEHPの違いは?の記事もあわせて確認しておくと理解しやすくなります。

A23エラーは、エンジンの起動や回転検出に関係するエラーです。
そのため、原因はひとつに限定せず、センサー、スタータモータ、エンジン、コンプレッサーなどを順番に確認する必要があります。
クランク角センサは、エンジンの回転状態を検出するための部品です。
このセンサーに異常があると、実際にはエンジンが動こうとしていても、制御側が回転信号を正しく受け取れないことがあります。
A23の表示名が「クランク角センサ異常」とされるため、まず疑われやすい部品です。ただし、現場ではセンサー単体の故障だけでなく、関連する配線、コネクタ、制御部品、起動側の部品まで含めて確認する必要があります。
今回の施工事例で原因と判断されたのが、スタータモータ本体の劣化による動作不良です。
スタータモータとは、GHP室外機に搭載されているガスエンジンを起動させるための部品です。自動車のエンジンをかけるときにも同じような役割のスタータモータが使われています。
GHPの場合、冷暖房のスイッチを入れっぱなしにしていても、室内の負荷に応じてエンジンは運転と停止を繰り返します。
つまり、見た目には空調がずっと動いているように見えても、室外機内部ではエンジンの発停が何度も行われています。
そのたびにスタータモータが使われるため、発停回数が多い現場ほど劣化が進みやすくなります。
A23は、スタータモータやクランク角センサだけでなく、エンジンやコンプレッサー側の不具合でも発生する可能性があります。
たとえば、エンジン側に機械的な抵抗がある場合や、コンプレッサーに異常がある場合、スタータモータが作動しても正常に回転できないことがあります。
この場合、結果として「エンジン回転信号が検出できない」という状態になり、A23エラーにつながることがあります。
そのため、A23が出たからといって、すぐにセンサー交換やスタータモータ交換と判断するのは危険です。各制御部品、エンジン、コンプレッサーを含めた総合的な診断が必要です。
GHPは、使用年数だけでなく、運転時間や発停回数も重要な判断材料になります。
今回の事例では、機器が記憶していたスタータモータの運転・停止回数、つまり発停回数が9万回以上になっていました。
発停回数が多いということは、それだけスタータモータが繰り返し作動しているということです。
食品工場や店舗、医療施設、オフィスのように空調の使用時間が長い現場では、部品の負担も大きくなりやすいです。
GHPの使用年数や更新目安については、GHPは何年ぐらい使用することができますか?でも詳しく解説しています。
ここからは、実際にミヨシテックが対応した事例をもとに、A23エラー発生から復旧までの流れを紹介します。
今回の現場は、茨木市内の食品工場です。
今回の食品工場では、大阪ガスの保守契約を締結されており、GHPエアコンが遠隔監視されていました。
エラー発生後、大阪ガスコンタクトセンターよりエラー発報の連絡が入り、ミヨシテックが出動しました。
出動前には、専用端末で以下のような情報を確認します。
| 確認項目 |
|---|
| エラーが出ている系統 |
| 型式 |
| 設置場所 |
| エラーコード |
| 過去の履歴 |
| 内容 |
|---|
| どの空調系統で異常が出ているか |
| 対象機器のメーカー・型式 |
| 室外機・室内機の設置位置 |
| 今回はA23 |
| 同様のエラーや運転状況の確認 |
事前に情報を把握してから出動することで、現地での診断や復旧対応をスムーズに進めやすくなります。
今回の対象機器は、パナソニックGHP「SGP-GX560M1G2」でした。
| 項目 |
|---|
| 施工内容 |
| 設置先 |
| 型式 |
| 運転時間 |
| エラーコード |
| エラー内容 |
| 施工時間 |
| 内容 |
|---|
| パナソニックGHP「A23」リモコン表示 修理対応 |
| 茨木市内 食品工場 |
| SGP-GX560M1G2 |
| 36,500時間 |
| A23 |
| クランク角センサ異常 |
| 約20分 |
運転時間は36,500時間で、GHPとしては長時間稼働している状態でした。
食品工場のように空調停止が製造環境や作業環境に影響しやすい現場では、できるだけ早い原因特定と復旧が求められます。
A23はクランク角センサ異常に関するエラーですが、今回の現場ではメーカーの故障診断マニュアルフローに沿って確認を進めました。
診断では、クランク角センサだけでなく、各制御部品、エンジン、コンプレッサーなどにも異常がないかを確認します。
その結果、各制御部品やエンジン、コンプレッサーには異常が確認されず、スタータモータ本体の劣化による動作不良と判断しました。
A23のようなエラーは、表示名だけを見るとセンサー不良のように感じます。
しかし、実際の現場では「エンジンが回転している信号を検出できない原因」がどこにあるのかを切り分けることが大切です。
診断時に、機器が記憶しているスタータモータの運転・停止回数を確認したところ、発停回数は9万回以上でした。
この発停回数の多さも、スタータモータ劣化を判断する材料になりました。
今回の対応では、出動時に想定される部品を倉庫から持ち出しており、スタータモータも車載していました。
そのため、現地でご決裁をいただいたうえで、当日中にスタータモータを交換し、復旧することができました。
業務用空調の修理では、原因を特定する技術だけでなく、必要部品を想定して準備できるかどうかも復旧スピードに関係します。
特に工場や店舗では、空調停止が業務に直結するため、早期復旧を意識した対応が重要です。

A23エラーが表示された場合、設備担当者としては「一度リセットしたら動くかもしれない」と考えることもあると思います。
しかし、GHPのエラーはエンジン系統や保護制御に関わる場合があるため、安易な対応は避けるべきです。
一時的にリセットして運転できたとしても、根本原因が残っていれば再停止する可能性があります。
また、スタータモータやエンジン系統に負担がかかった状態で運転を続けると、別の部品に影響が出ることもあります。
一度だけの偶発的な表示なのか、繰り返し発生しているのかを確認することは大切ですが、何度もリセットして様子を見る対応はおすすめできません。
停電復旧時など、GHPの再起動に関する基本対応を確認したい場合は、GHPの停電対応はどうしたらいいの?も参考になります
食品工場、店舗、医療施設、オフィスなどでは、空調が止まると業務に影響します。
特に夏場や冬場、繁忙期にGHPが停止すると、作業環境や来店環境だけでなく、製品管理や従業員の体調管理にも関わる場合があります。
A23が出た段階で完全に停止していなくても、発停回数や運転時間が進んでいる機器では、次の不具合が起こる可能性があります。
「まだ動いているから大丈夫」と考えず、早めに点検を依頼することが大切です。
A23の修理対応では、表示されたエラーコードだけでなく、現場の状況を含めて総合的に確認します。
担当者の方が社内で説明する際にも、どのような確認が必要なのかを把握しておくと話が進めやすくなります。
まず確認するのは、いつ、どの系統で、どのタイミングでエラーが出たのかです。
冷房運転時なのか、暖房運転時なのか、起動直後なのか、運転途中なのかによって、疑うポイントが変わる場合があります。
複数台・複数系統のGHPを使用している現場では、どの室外機・どの系統でエラーが発生しているのかを正確に把握することが重要です。
A23では、スタータモータが正常に作動しているかを確認します。
スタータモータは、ガスエンジンを起動させるために必要な部品です。
作動不良がある場合、エンジンを回そうとしているのに正常に起動できず、結果として回転信号が検出できない状態になります。
発停回数が多い機器では、スタータモータの劣化が疑われるケースがあります。
クランク角センサ、関連配線、制御部品、エンジン、コンプレッサーなどを順番に確認します。
A23はエンジン起動・回転検出に関わるエラーのため、ひとつの部品だけを見て判断するのではなく、故障診断フローに沿った切り分けが必要です。
GHPは構造上、定期点検や保守が重要な設備です。点検・修理・保守の考え方を詳しく知りたい場合は、【完全保存版】GHP(ガスヒーポン)点検・保守・修理フルガイドもあわせてご覧ください。
GHPの状態を見るうえで、運転時間と発停回数は重要な情報です。
今回の事例では、運転時間36,500時間、スタータモータの発停回数9万回以上という情報が確認されました。
運転時間が長い場合や、発停回数が多い場合は、部品交換だけでなく、今後の保守計画や更新時期も検討しておくと安心です。
A23エラーを完全に防ぐことはできません。
ただし、定期点検や保守管理によって、部品の劣化や運転状況を早めに把握し、突発停止のリスクを下げることは可能です。
GHPはガスエンジンを搭載しているため、EHPとは異なる点検が必要です。
エンジンオイル、点火系、各種センサー、スタータモータ、運転状態など、GHP特有の確認項目があります。
定期点検を行うことで、故障してから慌てるのではなく、劣化の兆候を早めに把握しやすくなります。
また、GHPを含む業務用空調は、フロン排出抑制法に基づく点検管理も重要です。法令面の管理については、GHPフロン点検の重要性と義務化内容をわかりやすく解説でも解説しています。
今回のように、発停回数が9万回以上になっている場合、スタータモータなどの起動系部品に負担がかかっている可能性があります。
運転時間や発停回数は、単なる数字ではありません。
修理するべきか、部品交換で様子を見るべきか、今後の更新も視野に入れるべきかを判断する材料になります。
設備担当者の方は、点検報告書や保守履歴を保管し、過去の修理内容や運転状況を確認できるようにしておくと安心です。
GHPは、設置年数や運転時間が進むと、修理費用が増えたり、部品供給の問題が出たりすることがあります。
A23のようなエラーが出た場合も、部品交換で復旧できるケースはありますが、機器全体の状態によっては更新を検討したほうがよい場合もあります。
特に、設置から年数が経っている、運転時間が長い、複数回の修理履歴がある、繁忙期に止まると困るといった現場では、修理と更新の両面で比較することが大切です。

パナソニックGHPでA23エラーが表示された場合は、表示名だけで原因を決めつけず、現地での診断が必要です。
茨木市の食品工場での事例のように、クランク角センサ異常と表示されていても、実際にはスタータモータの劣化が原因になっていることがあります。
株式会社ミヨシテックでは、大阪府内の工場・店舗・オフィス・医療施設・公共施設など、法人向け設備工事や業務用空調の点検・修理に対応しています。寝屋川市・枚方市を中心とした北河内エリアから、大阪府内の各現場まで、設備の状況に合わせて確認・ご提案いたします。
GHPは、エラーが出てからの対応スピードだけでなく、普段の点検・保守も重要です。
「A23が出ている」「何度かリセットしているが不安」「古いGHPを修理するか更新するか迷っている」という場合は、早めにご相談ください。
業務用空調の不具合は、現場ごとに原因も最適な対応も異なります。
まずは機器の型式、エラーコード、設置場所、発生状況を確認したうえで、専門業者に診断を依頼することをおすすめします。
パナソニックGHPのA23エラーや、業務用空調の修理・点検・更新でお困りの方は、ミヨシテックまでお気軽にご相談ください。
大阪府内の工場・店舗・オフィスなど、現場状況を確認したうえで、修理対応・部品交換・更新検討までサポートいたします。
「エラーコードは出ているけど、原因がわからない」
「保守会社がわからず、どこに相談すればいいかわからない」
「修理と更新、どちらがよいか判断したい」
このような段階でも大丈夫です。
まずは現在の症状をお聞かせください。