厨房系統のリモコンにて「H1」エラーを遠隔監視システムで検知し現地訪問。
「H1」エラーとは「クラッチ異常」というエラーになり、コンプレッサが正常に圧縮出来ていない場合に検出する異常となります。
この「H1」エラー検出の場合、コンプレッサが故障して異常発報する以外に、コンプレッサが正常でもエンジン起動時やエンストを検知した際にも「H1」エラーを検出する事があります。
現地訪問後、機器の運転確認やエラー検出時の運転状態を確認するとエンジンが正常に起動出来ずにエラーに至っておりました。
その主な原因はエンジンの各バルブ(吸気バルブ、排気バルブ)へのカーボン堆積とミキサー内部スロットルバルブ汚損による作動不良でした。
まずバルブにカーボンが堆積してしまうとエンジン燃焼室で正常な爆発が得られず、エンジンの出力が低下します。
このカーボンというのは燃料ガスの燃え残りでエンジンが稼働すれば必ず発生する「燃えカス」になります。
ガスヒートポンプエアコンでは室外機に車と同様にエンジンを搭載しており、定期点検時に「バルブ洗浄」を実施しバルブに溜まったカーボンの除去を行います。それでも経年機や使用時間の多い機器ではエンジンオイルの消費などの原因からカーボンが堆積しやすくなり、その影響からバルブが正常に開閉出来なくなりエンジンの起動失敗や低回転時にエンストする不具合に繋がってしまいます。
ミキサーのスロットルバルブの作動不良はエンジン本体への燃料ガスの入口となる弁が正常な開度を保てない状態となり、燃料ガス供給不良でこちらもエンジンが起動不可となる要因の一つとなります。
今回はバルブ洗浄とミキサー分解洗浄にて機器復旧となりましたが、ミキサースロットルバルブを作動させる「ステップモーター」の軸から異音がしており手動で回した際も抵抗があった為、部品の御見積りを提出。
後日お客様より発注の連絡を頂きミキサー新品交換にて作業完了となりました。
ヤンマーGHPのエラーコード一覧はこちら
施工内容 | ヤンマーGHP(ガスヒーポン)ミキサー交換作業 |
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施工時間 | 15分 |
型式 | YRZP355H1NB |
運転時間 | 46,655時間 |
エラーコード | H1 |
旧ミキサー取り外し前
ミキサーの入口側にガスホースと吸気ホース接続、出口側がエンジン側(吸気マニホールド)となります
旧ミキサー取り外し後
ミキサー固定の各ボルト、各ホース類(ガスホース、吸気ホース、ブリーザーホース)、各コネクター取り外しにてミキサー本体取り外し実施
新旧ミキサー及びガスケット
外観では新旧部品の違いは分かりにくいですが内部ギア部分が劣化によりスロットルバルブの作動不良を引き起こしております
新品ミキサー取り付け後
ミキサー固定用のボルト取り付け後、各ホース類及び各コネクター取り付けにて完了
故障が多くなってきてるけどすぐに対応して頂けるのでいつも助かります。
厨房はどうしても年がら年中空調稼働させるからそりゃ故障も増えますよね…。
エンジンのバルブ洗浄やミキサー分解洗浄で「起動失敗」や「エンスト」症状が改善するケースも多々ございます。
今回のように各部の洗浄で一時的にエンジンが復調し、その間に次に故障に繋がる部品をピックアップし部品交換の提案を実施する事で故障による長期間の空調停止を防止し、お客様へ快適な空調空間を提供しております。
【業務用】枚方市某病院様 室外機ミキサー交換
保守メンテナンス契約未締結のお客様より、リモコンにエラー「A06」が表示されていると連絡が入り出動しました。 不具合の症状を確認する為、機器を稼働させてみるとエンジンが全く始動しない状態でした。 ガスヒートポンプエアコンはエンジンを原動力とする為、自動車と同じようにエンジン起動の3要素が必要となります。 エンジンを起動させる要素は「良い混合気・良い火花・良い圧縮」です。 その点に着目し診断作業に入りました。 エンジン起動の要素に関係する部位を順に診断していくと、「良い混合気」がエンジンへ送られていない事が判明しました。 ガスエンジンの燃料であるガスと吸込んだ空気の混合気をエンジンへ送る役割のミキサーが正常に動いていませんでした。 このミキサーとゆう部品はモーターを用いた燃料制御弁・スロットル弁が搭載されており、負荷に応じて細かな制御をしています。 各制御弁のどちらか一つでも駆動しないと燃料ガスが供給されなかったり、自動車でいうアクセルが踏込めない様な状態になってしまいます。 診断の結果を設備ご担当者様へ報告し、概算金額と車載在庫部品での対応が可能とゆう事をお伝えしご了承頂いた上で即日復旧する事ができました。 医療施設の空調設備という事もあり重要度が高い為、即日対応即日復旧に大変喜んで頂けました。 パナソニックGHPのエラーコード一覧はこちら