2025.12.22

「ダイニングテーブルって、本当に必要?」
SNSではこのテーマが定期的にバズり、“あり派 vs なし派” の意見が真っ二つに割れます。
広いLDKがあっても、テーブルを置いた瞬間から
になり、結果として “天板がほぼ見えない荷物置き場化” してしまう家は少なくありません。
実際、筆者の実家もずっとそのタイプ。
「ご飯を食べるためのテーブル」だったはずが、いつの間にか“物を置くためだけの巨大家具” になっていました。
一方で、筆者自身は引っ越しを機にずっと憧れていたダイニングテーブルを購入。
新居では動線も広さも合っていたこともあり、なんと今は 毎日そこで家族で食事ができている のです。
結局のところ、
“ダイニングテーブルが必要かどうかは、家のつくり・動線・収納の仕組みで決まる”
これが本コラムの核心です。
ダイニングの使いやすさは、実は「間取り」と「部屋の使い方」が大きく影響します。
まずはこんな事例から、暮らしの動線改善をイメージしてみてください。

ダイニングテーブルが必要かどうかを考えるうえで、まず「そもそも何のために置かれてきた家具なのか?」を整理する必要があります。
ダイニングテーブルが持つ最大の役割は “食事の姿勢が整うこと”。
特に子どもの場合、姿勢が整うことで 食事の時間が落ち着く、高齢者の場合は 立ち座りがラクになる などメリットは多い。
また、「ご飯はダイニングで食べる」「くつろぎはリビング」と空間の役割が分かれることで 生活リズムが整いやすい のも評価ポイント。
ダイニングテーブルは“向かい合う形”で座るレイアウトが一般的。
この 目線の高さと距離感 が、家族の会話を自然に増やしてくれます。
「今日学校どうやった?」
「明日のお弁当どうする?」
この“何気ない会話”が生まれやすいのは、ダイニングならでは。
テレワークが増えた今は、食卓が家族全員のミーティングスペース にもなっている家庭が多いほどです。
この動線が意外と侮れない。
・キッチン横にテーブルがある
→ 配膳が2〜3歩で完了
→ 食器の片付けも最短ルート
忙しい共働き世帯・子育て家庭ほど、動線の短さは“日々の家事ストレス”を大きく左右する ポイントになります。
ダイニング周りの使い勝手を上げるには、床や壁といった“背景”の整えも効果的。
フローリングが整うだけで、ダイニングの印象が驚くほど変わる。

SNSでもリアルの声でも、“あり派”には共通の価値観があります。
「どこでご飯を食べるか」が決まっているだけで、家族の生活リズムが整いやすく、
・テレビを消してゆっくり食べられる
・家族が自然と集まる
・気配が感じやすい
といったメリットが生まれます。
特に子どもの食習慣や生活リズムの発達においては、毎日同じ場所で食べることの効果は意外と大きい。
最近は「食べる場所」だけではなく、
・テレワーク
・子どもの宿題
・書類仕事
・工作や制作
など、作業台にも活躍。
家に一番広いテーブルがダイニングであることが多いため、“自然とマルチスペース化する”のは当然の流れ。
ソファやこたつと比べると、姿勢の安定感は圧倒的。
腰痛持ちの人にとっては特に恩恵を感じるポイントです。
★【座る姿勢の改善 → 快適な空間づくりへ興味が湧いた読者へ】
床暖房で「座り心地の良さ」を底上げする事例も人気です。

一方で“なし派”にも根強い支持があります。
こちらも理由は非常に納得できるものばかり。
4人掛けのダイニングセットを置くと、最低でもテーブル120×80cmの場合、通路含め約170×240cm(約2.5畳) 程度の可動域が必要になります。
賃貸や小さめLDKでは、これが致命的に“圧迫感”を生むことに。
特に、
・玄関からの動線
・収納の不足
・片付ける場所が決まっていない
この3つが揃うと、ほぼ確実に 天板が消える という現象が発生します。
筆者の実家がまさにこれ。
筆者宅も賃貸時代は完全に“こたつ派”。
コンパクトで掃除も楽、くつろぎ中の姿勢も心地よい。
家の広さ・間取り・ライフスタイルによっては、ダイニングテーブルを置かない選択はむしろ合理的。
★【床生活派に合う“広く見える空間づくり”の参考事例】
床の色が変わるだけで、ローテーブル生活もより快適に。
「ダイニングテーブルを置くべきか?」
これは 家具そのものの優劣ではなく、“各家庭の暮らし方のクセ”によって決まる問題 です。
そこで、必要かどうかを判断するための基準を4つに整理してみました。
小学生以上の子どもがいる家庭
→ 食事・宿題・話し合いの場としてダイニングが機能しやすい
乳幼児が中心の家庭
→ 床生活が便利で、こたつ・ローテーブルが向く場合も
家族のステージによって“使いやすいテーブルの形”は変わります。
実はこれが一番大事。
ダイニングテーブルが活きるかどうかは 動線との相性がすべて と言ってもいい。
・椅子を引くスペースがあるか
・人と人がすれ違えるか
・キッチンから横移動で配膳できるか
これがクリアできれば、ダイニングはかなり使いやすくなる。
反対に、これが1つでも欠けていると…
→ テーブルは高確率で荷物置き化 します。
動線とレイアウトの見直しだけで空間全体のまとまりが劇的に変わる典型例。
テレワーク・在宅ワークがある家庭では、「食べる場所」以上に“家で一番広くて作業しやすい場所”としての役割が大きくなる。
逆に、
・仕事部屋がある
・ソファに座る方が落ち着く
・床生活が定着している
という家庭は、ダイニング不要という結論になりやすい。
ダイニングテーブルが荷物置きになる家の共通点はただひとつ。
“片付ける場所が決まっていない”
郵便物、ランドセル、バッグ、プリント類。
これらの“居場所”が決まっていない家はどれだけ広いLDKでも 例外なくテーブルが埋まります。
つまり、
→ 家具より先に“収納と動線”を整えるのが正解。
収納の追加や使い勝手改善で、生活スペースが一気に整う。
筆者自身の経験が、ダイニング論争を語る上で非常に象徴的。
・LDKが狭い → ダイニングを置く余地なし
・こたつ1台で“食べる・くつろぐ・作業する”が完結
・それはそれで不自由はなかった
→ “暮らしのリズム”がこたつ中心だった
・広さと動線が整ったLDKになった
・憧れだったダイニングセットを購入
・結果、毎日家族でダイニングを使う生活へ
・自然と食卓での会話も増えた
→ 家具ではなく、間取りが生活を形づくる ということを痛感
★【空間を整えるだけで“暮らしのクセ”が変わる実例】
部屋が整うと、生活パターンの再設計が始まる。

「置くべきか」だけでなく、“置いた後に後悔しないための条件” を整理しておくと安心。
テーブルサイズだけで判断すると失敗しがち。
・イスを後ろに引く
・人が後ろを通る
・お皿を配る
この動きがスムーズかどうかで、使いやすさは決まる。
| 丸テーブル | 回遊性UP、動線が滑らか |
|---|---|
| 四角テーブル | 壁付けやレイアウト自由度が高い |
| 伸長式 | 来客が多い家庭に便利 |
“使う人数 × 生活リズム”で選ぶのがコツ。
郵便物・書類・子どもの荷物の置き場が決まっているか?
これを決めておくと 荷物置き化をほぼ防げる。
空間全体の統一感が生まれ、ダイニングが“生活の中心”に。
こういう家庭は “置かない”ほうが暮らしが軽くなる。
床のメンテだけで、部屋の使い心地は大きく向上。
ダイニングテーブル問題は、「置くのが正解/置かないのが正解」ではなく、“その家の暮らしに合っているかどうか” がすべて です。
これらの要素が組み合わさったとき、その家にとっての 「ちょうどいい暮らし方」 が見えてきます。
そして多くの家庭がぶつかる“ダイニングテーブルが使いこなせない”問題 の正体は、家具の問題ではなく…
👉 間取り・動線・収納の設計が現代の暮らしに合っていない
というケースが非常に多いのです。
だからこそ、ダイニングテーブルを置くか迷っているときこそ、一度「住まいの使い方そのもの」を見直すのが一番の近道。
★【暮らしの土台を整えることで“ダイニングが活きる家”になる事例】
“小さなストレスの積み重ね” を解消しただけで、ダイニングを中心とした生活がスムーズに回るようになったご家庭も多くあります。

ここからは、住まいの専門家としての視点を少しだけ。
ダイニングテーブルの活かし方が上手なご家庭の共通点は、空間に「目的に合った場所」が明確に存在していること です。
つまり、
こうした“空間設計の基盤”があるからこそ、ダイニングテーブルという家具が本来の役割を果たしてくれます。
反対に、動線が悪かったり収納不足だったりすると、どれだけ高級なテーブルでも 使いこなせません。
★【空間の基盤づくりに役立つ事例も合わせてチェック】
ダイニングテーブルを置くかどうか迷ったとき、本当に悩むべきポイントは“家具”ではありません。
「この家は、わたしたち家族の暮らしに合っている?」
多くの方が気づいていないだけで、ダイニング問題の裏には必ず
・動線の不便
・収納不足
・空間の使いにくさ
といった“家そのものの課題”が潜んでいます。
もし今の住まいに少しでも不便さや違和感があるなら、ミヨシテックでは、あなたの暮らし方をヒアリングしたうえで
など、ライフスタイルに合わせたご提案が可能です。