乾太くんで「エラー12」が出たら?
~危険な自己対応と正しい点検のポイント~

ガス工事・ガス機器工事

2025.11.12

Column

人気のガス衣類乾燥機「乾太くん」にもメンテナンスが必要です

「乾太くん」は、リンナイが製造する家庭用ガス衣類乾燥機です。
電気式に比べて圧倒的な火力を持ち、5kgの洗濯物なら約50分でふっくら乾燥できるのが最大の魅力。
そのスピードと仕上がりの良さから、共働き家庭や花粉・梅雨の時期に外干しできないご家庭を中心に人気が高まっています。

ミヨシテックでも、ここ数年で「ガス衣類乾燥機を設置したい」というお問い合わせが急増しています。
屋外に排気を逃がす構造のため、湿気やニオイがこもりにくく、電気代も抑えられるのが特徴。
一度使うと「もう戻れない」と言われるほどの“時短家電”です。

ただし、そんな乾太くんにも定期的なメンテナンスが欠かせません。
使用から2〜3年が経つと、内部のフィルターや排気口にホコリが溜まり、うまく排気ができなくなることでエラー表示が出ることがあります。

なかでも多くのお客様からお問い合わせをいただくのが、「エラー12」。
これは「不完全燃焼防止装置」や「立ち消え安全装置」が作動した際に表示されるエラーで、放置して使い続けると、安全面にも影響する重要なサインです。

今回は、この乾太くんのエラー12が出る原因と対処法について、
実際の現場での対応経験をもとに詳しく解説します。

エラー12とは? ― 表示の意味と原因

乾太くんの「エラー12」は、主に点火や燃焼に関する異常を示しています。
具体的には、以下のどちらかの安全装置が作動した状態です。

  • 不完全燃焼防止装置作動
  • 立ち消え安全装置作動(不着火)

どちらも、ガスが正常に燃焼できない・途中で火が消えてしまうといった状況で発生します。
つまり、「ガスは出ているけれど、燃焼が続けられない」というトラブルです。

このエラーが出ると、乾燥機は安全のために自動停止します。
内部で燃焼異常を起こしている可能性があるため、再起動を繰り返すのは避けましょう。

よくある原因はこの2つ

乾太くんのエラー12は、実際の現場では次の2つの原因が非常に多く見られます。

  1. 乾太くん本体フィルターの詰まり
  2. 外壁側パイプフード(ベントキャップ)の埃詰まり

とくに②の外壁側の排気口の詰まりが圧倒的に多い傾向です。
設置から2〜3年が経過すると、風で舞い戻ったホコリや湿気がベントキャップの内側に溜まり、
排気の通り道をふさいでしまうケースがよくあります。

エラー12が出る仕組み

乾太くんは、ガス燃焼で生じた温風をドラムに送り、衣類を乾かしています。
ところが、排気口が詰まると燃焼ガスが外に逃げられず、内部にこもる状態に。

その結果、

  • 燃焼が不安定になる
  • 炎が途中で消える
  • 内部温度が異常上昇する

といった現象が起き、機械が安全のために自動停止します。

つまり、点火はしても排気ができず途中消火する――これが「エラー12」が出るメカニズムです。

次の章では、実際にどの部分を点検・清掃すればよいかを見ていきましょう。

主な原因別チェックポイント

フィルターの詰まり

乾太くん本体の乾燥フィルターは、使用のたびにホコリをキャッチしています。
これを放置すると風の通りが悪くなり、燃焼効率が低下。
排気がスムーズに流れず、やがて「エラー12」が発生する原因になります。

チェックポイント

  • 乾燥フィルターにホコリが厚く付着していないか
  • フィルター枠の奥までホコリが溜まっていないか
  • フィルターのネット部分が破損していないか

お手入れの目安

  • 使用後は毎回、目に見えるホコリを手で取り除く
  • 月に1回程度は水洗いして完全に乾かす
  • フィルター枠の裏側も柔らかいブラシで軽く掃除する

これだけでも、燃焼不良を防げるケースが多いです。
ただし、フィルターがきれいでもエラーが頻発する場合は、排気側(屋外)の詰まりを疑いましょう。

パイプフード(ベントキャップ)の埃詰まり

エラー12の発生原因で最も多いのが、外壁の排気口(ベントキャップ)の詰まりです。
乾太くんは内部で発生した湿った熱気を屋外に排出しますが、
その出口にホコリやクモの巣がたまると、排気が外へ逃げなくなります。

特に以下のような条件では、詰まりやすくなります。

  • 設置から2〜3年以上経過
  • 風通しの悪いベランダ・軒下などへの設置
  • 周囲に埃や落ち葉が多い環境
  • 雨風でホコリが逆流しやすい場所

見た目はきれいでも、内側にびっしりホコリがこびりついているケースもあります。
内部の詰まりが原因で、燃焼ガスが排出できずにエラーが出ている可能性があります。

次は、このベントキャップを中心とした実際の清掃方法を紹介します。
ただし、屋外・高所での作業になるため、お客様ご自身で行うのは危険です。
安全のためにも、できるだけ専門業者に依頼するようにしましょう。

実際の掃除方法(※高所作業のため、自己対応はおすすめしません)

乾太くんの「エラー12」が発生した場合、最も多い原因は外壁側パイプフード(ベントキャップ)の詰まりです。
この部分を清掃すると改善するケースもありますが、作業は屋外かつ高所になることが多く、
ご自身での対応は転倒や破損などの危険を伴います。

ここでは仕組みを理解するために、あくまで作業の概要をご紹介します。

外壁側のパイプフード清掃の流れ

  • 脚立などを用意し、外壁の排気口(パイプフード)まで安全に届く状態を確保
  • パイプフードの表面についたホコリやクモの巣を歯ブラシや毛ブラシで軽く除去
  • 目詰まりがひどい場合は、マイナスドライバーなどで慎重に中のホコリをかき出す
  • 作業後は風通しを確認し、排気口の向きやカバーがズレていないかをチェック

このとき、金属部分を強くこすると変形や破損の原因になるため、力加減には注意が必要です。

2階以上に設置している場合

屋外での作業が難しい場合、室内側から排気経路を清掃します。

  1. 屋内で脚立を立て、安全を確保したうえで作業を開始
  2. アルミ排湿管を取り外す
  3. 管の内部に溜まったホコリを掃除機やブラシで丁寧に除去
  4. 掃除後、再度しっかり接続し、銀テープで固定して気密性を確保

こちらも見た目以上に高所での作業となり、時間もかかります。
転倒リスクだけでなく、接続部を正しく戻せなかった場合に排気漏れや機能低下を起こす可能性もあります。

注意:自己対応は危険です

これらの作業は、脚立を使ううえに換気経路の分解を伴うため、一般の方が行うには危険が伴う作業です。
外壁が高い位置にある場合や、ベランダ越しの作業は特に注意が必要です。

また、掃除しても内部センサーの異常や燃焼系統の不良が原因の場合、根本的な解決にはならないケースもあります。

したがって、エラー12が表示された際は、できるだけ早く専門業者に点検を依頼しましょう。
次の章では、その理由とプロに任せるメリットを解説します。

業者に依頼したほうが良い理由

乾太くんの「エラー12」は、単なるホコリ詰まりのほかにも、燃焼や排気の仕組み全体に関わるトラブルであることが多いです。
自己判断で清掃を行っても、一時的に症状が改善するだけで、根本原因が残っているケースも少なくありません。
安全のためにも、専門業者に点検・清掃を依頼するのが確実です。

正確な原因を診断できる

専門業者は、燃焼系統・センサー・排気経路のすべてを確認できます。
「詰まり」だけでなく、

  • 点火プラグやガスバーナーの汚れ
  • センサーの異常
  • 排湿管の曲がりや劣化

など、機械内部の不具合まで把握できるため、再発を防ぐ根本対応が可能です。

安全に高所作業ができる

外壁のパイプフード掃除や排気管の取り外しは、脚立を使った高所作業になります。
専門業者なら、

  • 安全器具を使用
  • 足場が不安定な場所でも正しい姿勢で作業
  • 作業後に気密・排気テストを実施

といった手順で、事故リスクを最小限に抑えます。

故障予防とメンテナンスチェックも同時に

定期点検を依頼すれば、清掃と同時に以下のような項目も確認してもらえます。

  • ガス漏れの有無
  • 点火・燃焼状態
  • 排気温度・風量の測定
  • 各種センサーの動作確認

これにより、将来的な故障を未然に防ぐことができます。
とくに設置から2〜3年経過した乾太くんは、内部にホコリが蓄積しているケースが多く、
年1回程度の点検を習慣にするのが安心です。

保証・アフターサービスが受けられる

正規の施工業者に依頼することで、メーカー保証や保守契約の対象外になるリスクを避けられます。
自己清掃や分解による破損は保証外となる場合があるため、無理に触らないことが重要です。

ミヨシテックでは、リンナイ製品の施工・保守に精通したガス機器専門スタッフが在籍しています。
安全確認から清掃・修理まで、ワンストップで対応可能です。
「エラー12が出て止まった」「排気口が詰まっている気がする」などの症状がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。

定期的な点検で“安全・快適”な乾燥を

乾太くんの「エラー12」は、実際のところフィルターや排気口の詰まりが原因で起こることがほとんどです。
つまり、燃焼や点火そのものの故障ではなく、“空気の通り道がふさがれている”サインといえます。

しかし、乾太くんは「火」を使うガス機器。
排気がうまくいかないまま無理に使用すると、燃焼不良や機器の劣化、最悪の場合は安全面に影響を及ぼすおそれもあります。

安心して使い続けるためのポイント

  • 使用後は毎回、乾燥フィルターを掃除する
  • 月に1度はフィルターを水洗いし、しっかり乾燥させる
  • 設置から2〜3年を目安に、排気口の清掃・点検を業者に依頼する
  • 異音・異臭・乾きの悪さを感じたら、早めに相談する

「乾太くん」は、適切にメンテナンスすれば10年以上快適に使える機器です。
乾燥力が落ちた、エラーが出やすくなったと感じたら、それは“そろそろお手入れ時期”のサイン。
定期点検を行うことで、効率の良い乾燥と安全な燃焼を維持できます。

お困りの際はミヨシテックへ

大阪エリアでの乾太くんの設置・点検・修理・再設置は、ガス・電気・排気設備をトータルで扱うミヨシテックにおまかせください。

  • リンナイ・大阪ガス 乾太くんの施工・修理実績多数
  • 排気経路や設置場所の環境も踏まえた安全点検
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そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。
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