2026.01.21

冷却塔(クーリングタワー)は、ビルや工場の屋上など、普段あまり目に入らない場所に設置されている設備です。
空調が問題なく動いているとき、冷却塔の存在を意識することはほとんどありません。
しかし、ひとたび冷却塔に不具合が起きると、
といった影響が一気に表面化します。
多くの場合、これらは「空調の不調」として認識され、原因が冷却塔にあると気づかれにくいのが実情です。
冷却塔は、普段は目立たないが、止まると最初に困る設備。
だからこそ、壊れてからではなく、正常に動いているうちに知っておきたい存在です。

冷却塔の役割を理解するうえで分かりやすいのが、家庭用エアコンの仕組みです。
エアコンは「空気を冷やす機械」と思われがちですが、実際には室内の熱を屋外へ捨てることで冷房を成立させています。
| 室内機 | 室内の熱を集める |
|---|---|
| 室外機 | 集めた熱を屋外へ放出する |
ビルや工場のような大型空調では、この「室外機の役割」を担うのが冷却塔です。
冷却塔は、冷凍機で発生した熱を外へ逃がすことで、空調システム全体を支えています。
冷却塔が正常に機能しなければ、
といった問題につながります。

冷却塔が水を冷やす仕組みの基本は、気化熱(蒸発熱)です。
汗をかいた状態で風に当たると涼しく感じるように、水は蒸発する際に周囲の熱を奪います。
冷却塔はこの原理を利用し、冷却水の一部を蒸発させることで水温を下げています。
冷却塔内部では、
という循環を繰り返しています。
ただし、冷却塔は外気を利用する設備のため、外気温や湿度の影響を受けやすいという特性もあります。
夏場に「冷えが悪い」と感じる原因が、実は冷却塔にあるケースも少なくありません。
冷却塔には大きく分けて、開放式と密閉式の2種類があります。
冷却水と外気を直接接触させる方式で、冷却効率が高く、一般的な空調設備で多く採用されています。
一方で、水が外気に触れるため汚れやすく、定期的な清掃や水質管理が欠かせません。
冷却水を配管内に通し、外気とは直接接触させない方式です。
冷却効率はやや劣りますが、水質が安定しやすく、データセンターや病院など、止められない設備で使われることが多くなっています。
重要なのは「どちらが優れているか」ではなく、用途・運用条件・管理体制に合っているかという視点です。
冷却塔のトラブルが厄介なのは、完全に止まる前に性能が徐々に落ちていく点です。
こうした変化は見過ごされがちですが、冷却塔からの重要なサインであることも多くあります。
また、冷却塔は冷凍機・空調・電気・給排水と密接につながっているため、単体だけを見ても原因が分からないケースも少なくありません。

冷却塔は「水を使う設備」であり、水質管理や衛生管理が非常に重要です。
特に注意が必要なのがレジオネラ菌対策です。
近年では、大規模イベントや噴水設備などでも問題になることがあり、冷却塔も例外ではありません。
そのため、冷却塔には
が求められます。
特に冷房シーズン前の清掃・点検は、夏場のトラブルを防ぐうえで非常に重要なタイミングです。
ミヨシテックでは、こうしたシーズン前の冷却塔清掃や点検対応も行っており、「止めないための予防保全」という考え方を大切にしています。
冷却塔は「壊れたら直す設備」ではなく、止まらないために管理する設備です。
ミヨシテックでは、冷却塔を単体で見るのではなく、
まで含めて確認し、点検・改修・更新の必要性を整理します。
「本当に更新が必要なのか」
「部分的な改善で足りるのか」
そうした判断を、現場の状況に合わせて一緒に考えることが可能です。
冷却塔は、普段は目立たない存在ですが、空調や設備の安定稼働を支える欠かせない設備です。
仕組みを知り、適切な管理を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、安心して設備を使い続けることができます。
「最近、空調の効きが気になる」
「冷却塔をしばらく見ていない」
そんなときは、冷却塔を含めた設備全体の状態を一度確認してみることをおすすめします。