大阪ガス保守契約を締結されている京都市内の老人保健施設でGHPエアコンのエラーが発生。
お客様は気づかれていませんでしたが、遠隔監視している大阪ガスコンタクトセンターよりエラー発報の連絡が入り出動しました。
まず室外機にて運転データを測定、室内機の稼働状況の確認などを行い診断作業に入りました。
一見したところ異常なデータは見当たりませんでしたが少し時間を掛けデータ測定を実施。すると、室外機に戻ってくる冷媒(フロンガス)の温度が正常値より低く使用条件によってはエラーが出る可能性がある事が判明しました。
GHPエアコンでは点検や修繕対応時に機器の状態を正確に把握する為に専用のパソコンを接続し室外機から室内外機の運転データを測定する事ができます。今回の事例では室内機のデータに着目し冷媒の温度が下がる要因を探っていきました。
接続されている室内機数台同じように使用している状態で1台のみコイル温度(室内機の配管温度)が高い室内機を発見しました。
そこで実際に室内にて配管の実温度とセンサーが認識している温度に差が無いかの確認を行いました。
結果、実際の温度より5度~10度程高く機械が認識している事が分かりました。
室内機には冷媒をどれくらいの量流す必要があるかを配管温度などで判断し調整する弁(膨張弁)がついています。
その配管温度を測定しているのがサーミスタと呼ばれる温度センサーです。
弁開度の判断材料となるサーミスタが実際の温度と誤差がある状態だと必要以上に冷媒が流れてしまったり、逆に量が少なく空調の効きが悪くなる原因となります。
今回は実際の温度より高く検知していた為、温度を下げようと弁開度が大きくなり、結果室外機に影響が出てしまいました。
空調機内部では冷媒となるフロンガスが液になったりガスになったりを繰り返し冷暖房を可能としています。
小さなサーミスタひとつでもそれを妨げる要因となる事があります。また、このような状態が長く続くと室外機のコンプレッサー(圧縮機)にも負担が掛かり重大故障にも繋がります。
今回は保守契約内の作業でお客様へ費用が発生する事なく、部品交換を行い無事に復旧する事ができました。
ヤンマーGHPのエラーコード一覧はこちら
施工内容 | 大阪ガス製ヤンマー室内機(日立)コイル温度サーミスタ交換作業 |
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施工時間 | 約60分 |
型式 | HCJ112K1 |
運転時間 | 26,000hr |
エラーコード | 4b(FH) |
交換前
分かりづらいですが黄と黒の配線がサーミスタです。
部品新・旧
上:新品 下:旧品
交換後
「大阪ガスから連絡きて気づきましたよ。遠隔監視って便利ですね。」
空調機にエラーが出た際はスイッチの押し直しで使用できる場合もありますが、放置せずに一度点検される事をお勧めいたします。
空調機に限らず換気・衛生など多岐にわたり対応させていただきますのでお気軽にご相談下さい。