お客様より「普通教室系統でU4エラーが発報して冷房が使えないので至急対応お願いします」との連絡を頂き、当日午前中に現地訪問。
「U4」エラーは室外機と室内機間の通信不良が原因で発生するエラーとなり、室内機、室外機どちらかのブレーカーがOFFになっていたり、制御用基板類の故障や通信配線が断線やショートの場合に通信不良を検出しエラーに繋がります。
こちらの学校で使用されている空調機は室外機が2台で1系統のWマルチタイプとなり、それぞれの室外機が「親機」と「子機」に分別されます。
故障原因を調査したところ、親機側室外機の冷却水ホースから冷却水が微量漏れし、漏れ箇所の真下に取り付けの冷却水ポンプに滴下。その状態を長時間継続により冷却水ポンプ内部に冷却水が浸入し電装部品がショート。ショートの影響で室外機漏電ブレーカーが作動しエラーを検知していました。
冷却水ポンプの部品交換が必要な為「バックアップ運転」へ設定変更し応急的に冷房使用を可能として後日再訪問の旨をお客様へ説明。
2日後に冷却水ポンプ新品交換、冷却水ホースへバンド追装、冷却水補充実施。その後室外機のバックアップ運転を解除して通常運転に設定を戻して作業完了。
今回は故障していなかった子機側室外機も同様の冷却水ホースを点検したところ冷却水の漏洩はありませんでしたが、同機種の為、念の為ホースバンド追装にて予防保全実施として全ての作業が完了いたしました。
ヤンマーGHPのエラーコード一覧はこちら
施工内容 | ヤンマーGHP(ガスヒーポン)冷却水ポンプ交換、各冷却水ホースへホースバンド追装 |
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施工時間 | 1時間 |
型式 | YXZP710J-NB |
運転時間 | 13,648時間 |
エラーコード | U4 |
冷却水漏洩状態
漏れた冷却水が乾燥して固まってきている状態
冷却水ポンプ取り外し後
冷却水ポンプ入口、出口ホースピンチにてポンプ取り外し
新旧冷却水ポンプ
シルバーの部分がポンプ本体となり黒いケーシング部分内部のインペラが回転する事で冷却水を循環させています
各冷却水ホースへバンド追装備
帯バンド追装備にて冷却水漏れ防止処置実施
新品冷却水ポンプ取り付け
ポンプ取り付け後各ホース接続にて作業完了
夏休み期間中ですが今日は朝から三者面談があったので早急に対応して頂いて助かりました。
使用頻度も多いのでしょうがない部分はあると思いますが、今年は例年に比べて故障が多い気がするのでいつも素早い対応感謝します。
Wマルチタイプの特性は今回のような片側室外機故障時に「バックアップ運転」が可能な事です。
気温が高く、室内機運転台数が多ければ空調負荷が増し、片側室外機のみの応急運転では冷房能力が多少ダウンしますが、バックアップ運転に切り替えれば一時的に冷房運転が可能となる為、部品交換までの間や部品交換作業中も継続的に空調が御使用頂けます。
冷房時は室内機吸込み温度がリモコン設定温度を下回るとサーモオフとなり自動で送風運転に切り替わり、吸込み温度が設定温度を上回るとサーモオンとなって冷房運転を再開します。
今回は夏休みのタイミングだった事もあり、教室も全て使用しておらず空調負荷は比較的低く体感的にも通常の冷房能力と差異無くバックアップ運転が可能となりました。