大阪ガス保守メンテナンス契約を締結されているお客様より「暖房の効きが悪く、温風が出ていない時がある」との連絡を受けました。
連絡を頂いた当日中に現地へ訪問し状況を確認すると、職員室で上記のような暖房不良が起きているとの事でした。
訪問時は温風が出ており問題なく使用できている状態だった為、室外機にて運転データの測定・調査を実施しました。
すると室外機に搭載されているエンジンの冷却水温度が異常に高い事が判明。
一見すると室内機は温風が出ていて問題ないようにも感られますが、ガスヒートポンプエアコン(GHP)の室外機からは室内機・室外機の全体データを確認する事ができエラーに至らない小さな異常でも見つける事ができます。
今回の事例では水温の低い暖房のつけ始めや再起動時はしばらくの間暖房としてある程度の能力を発揮し、水温が安定するはずの状況で基準値より高くなってしまう為に「水温回避制御」に入り能力がダウン、温風が出ないという現象に至ったと判断しました。
この「回避制御」は機器の運転状況(負荷)に応じて変動する運転データを「異常」とならない様、また機器を保護する為に自力で正常値に立て直そうとする制御です。
その為、エラーを出さずに稼働しているのに効きが悪いといった現象が起こり得ます。
その後、水温が異常に高くなる原因の調査を行い、冷却水を循環させる為のポンプが動作不良を起こしている事が判明しました。
自動車の冷却水ポンプはエンジン内蔵型でエンジンの起動と同時に機械的に作動しますがGHPエアコンの冷却水ポンプはほとんどがエンジンとは別に取り付けられており、電気信号で作動するタイプです。
この冷却水ポンプが作動はしているもののパワーが弱い状態となっており、ポンプ内部のインペラ(羽根車)部分の破損と判断しました。機器設置後15年以上経過しており、修理に関しては部品代のみご負担いただく契約だった為、お客様に不具合原因のご説明をしお見積書の提出、後日改めて部品交換にて水温が安定し能力も改善する事ができました。
施工内容 | 大阪ガス製ヤンマーGHP 室外機冷却水ポンプ交換作業 |
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施工時間 | 約30分 |
型式 | YNZJ560E2N |
運転時間 | 約25,000時間 |
エラーコード | なし |
交換前
交換後
新旧比較
左:旧 右:新
室外機外観
今回は大阪ガス保守契約を締結されており部品代のみのご負担で修理する事ができました。
このように「エラーは出ていないけどなんか変」といった些細な気づきで事前に防げることもある為、少しでも違和感や不安を感じられた場合はお気軽にご相談下さい。
現状を確認させて頂きご要望に応じた最適なご提案をさせて頂きます。
また、GHPに限らず空調機器・設備でご不明な点やお困り事が御座いましたらまずはミヨシテックにお問合せ下さい。
【業務用】京都市伏見区某福祉施設様 冷却水ポンプ交換
12月11日(金)法令フロン定期点検にて訪問。 運転データを間接法にて確認。 冷凍機油のにじみの確認のためにエンジンルームのパネルを開放したところ、冷却水がエンジンルームの底面に溜まっていました。 フロン点検の後に冷却水漏れの点検を実施した結果、冷却水ポンプのケーシング部よりポタポタと冷却水が漏れているのが確認できました。 設備担当者へ現状を見ていただき、冷却水ポンプ交換の必要性を説明させていただきました。 応急的に冷却水を補充して週明けに部品交換の予定と交換に必要な停止時間をご説明の上引き上げました。 12月14日(月)冷却水ポンプ交換のためにご訪問。 冷却水ポンプから冷却水ホースを外すときに冷却水が室外機の外へこぼれないように養生をして取り外し。 冷却水ポンプの交換作業を実施。冷却水を補充し運転確認。 冷却水漏れも無くなり、冷却水温度も安定しているのを確認できたため作業完了。
【業務用】高槻市某こども園様 ヤンマーGHP(ガスヒーポン)「E4」冷却水ポンプ交換
ガスヒートポンプエアコンは都市ガスを燃料としたエンジンの動力によりコンプレッサーを連動させ冷媒と呼ばれるフロンガスを循環させる事で冷暖房を行っています。 その為、サービスマンには空調機の知識の他、エンジンの知識も求められます。 今回の案件ではエンジンに使われる冷却水系のの不具合をご紹介いたします。 ヤンマーGHPをご使用のお客様よりエラーコード「E4」が発生しているとのご入電があり出動いたしました。 通常GHPのエンジンにはクーラントと呼ばれる不凍液が封入されており機器稼働中はエンジンがオーバーヒートしないよう冷却水ポンプを常時作動させています。 冷却水系の部品にはポンプの他にサーモスタットやモーターバルブという温度変化により冷却水回路を切り替える弁や、また放熱用のファンも水温を下げるために動作しておりこれらの部品が同時に作動する事でエンジンの冷却水温度は一定に保たれています。 診断させて頂いた所、異常リセット後機器は通常通り稼働し水温は適温にて安定しておりました。 そこで異常発生時のデータより運転データを確認させて頂いた所(GHPではメーカーにもよりますが、PCチェッカーを機器に接続する事で異常発生時のデータを抽出する事ができます)異常発生直前までは水温が安定していたのにも関わらず、その10秒後に急激に温度が上昇しているのが判明しました。 バルブ類やファンが停止した場合緩やかに水温が上昇しますが10秒程度で急激に上昇する事はありません。 冷却水の漏洩も無い事からポンプの急停止により異常が発生したものと断定いたしました。 機器はリセット後復旧しておりましたが再発生する可能性もございましたので、直ぐに部品を発注し2日後無事に作業を完了する事が出来ました。 一次出動後エラーの再発生は無かったとの事でしたが取り外したポンプを点検した所シャフト部に若干のブレが見受けられました。 軸ブレによる影響でポンプ内部に引っ掛かりが生じ急停止したものと思われます。 ヤンマーGHPのエラーコード一覧はこちら
【業務用】パナソニックGHP(ガスヒーポン)修理事例 「A20」「A22」冷却水ポンプ交換
施設管理会社からリモコンにA22のエラーが出ているとの連絡を受けました。 現地に訪問し室外機のエラー履歴を確認。A22のほかにA20のエラーが併発していることが分かりました。 冷却水ポンプ異常と冷却水温度異常のデータを確認するために室外機の運転確認を実施。 起動後すぐA22のエラーで停止したため冷却水ポンプのみ作動させて点検しました。 その結果、冷却水ポンプの作動不良が確認できました。 冷却水ポンプが作動しないことにより冷却水が循環不良を起こし冷却水の温度が上昇したため温度上昇による保護装置が働き異常停止していました。 事前に聞いていたエラーコードにより倉庫に在庫していた冷却水ポンプを持ってきていたので設備担当者様へ現状を報告し部品交換を実施。 運転確認にて冷却水温度が適正な温度で運転することが確認できましたので完了しました。 冷却水ポンプの経年劣化による作動不良が原因と判断できます。 今回のお客様は大阪ガス様の保守契約に加入されており保守契約内の作業で完了できました。 ※冷却水ポンプ GHPは圧縮機をガスエンジンで駆動しているためエンジンの放熱のために冷却水を循環させています。(水冷エンジンのため) そのため冷却水ポンプが作動不良を起こすとオーバーヒートになり異常停止してしまいます。 パナソニックGHPのエラーコード一覧はこちら