大学の研究室内に設置のリモコンにて「E2」のエラーメッセージが出ているとの事でお客様より連絡を頂き当日現地訪問。
エラー内容はメーカーや機種により様々ありますが、こちらの大学施設で使用されているヤンマーGHP(ガスヒートポンプエアコン)での「E2」とは「エンスト」エラーとなり、室外機内に搭載のエンジンがエンストしてしまう症状となります。
機器を診断すると診断当初はエンジンの起動後間もなくエンストしてしまう症状でしたが、2回目以降の運転確認時にはエンジンの起動すらしなくなってしまいました。
エンジン起動の条件としてよく言われるのが「良い燃料、良い火花、十分な圧縮」です。
この条件のいずれかでも欠いてしまうとエンジンは起動不可又はエンストします。
まず「良い燃料」というのはエンジンに正常な燃料ガスが供給されているかどうかです。
GHPでは都市ガスを燃料ガスとして採用しており、燃料ガスと空気を混合してエンジン本体へ供給します。
この燃料ガスが何らかの不具合によりエンジンへ供給不可となれば、ガソリンが切れた車と同様に動かなくなります。
燃料ガス供給の「ルート」は室外機までに敷設されたガス配管を経由し、まず「ガス電磁弁」という部品を通過し「レギュレーター」でガスの圧力を調整後「ミキサー」でガスの供給量を決めて燃料をエンジンへ送ります。
エンジン起動不具合の際の診断時は前述の各部品が正常に作動しているかを確認します。今回のトラブル対応時ではミキサーの正常作動を確認後ガス電磁弁を診断した際、弁開閉の為に通電させる端子の折損を確認出来ました。
端子の折損の影響により電圧供給不良でガス電磁弁が開かなくなりエンジンが起動不可となっていた事をお客様へ説明。
修理費用の御見積り提出後すぐに発注のお返事を頂き後日ガス電磁弁の交換を実施。エンジンの起動確認、暖房運転データの測定を行い異常無しの為、無事完了となりました。
施工内容 | 大阪ガス製ヤンマーGHPガス電磁弁交換作業 |
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施工時間 | 約1時間 |
型式 | YNZ560D1N |
運転時間 | 65,928時間 |
エラーコード | E2 |
端子折損箇所
新品ガス電磁弁
ガス電磁弁組付け後
エンジン起動の条件として残りの「良い火花」にはエンジン燃焼室における点火の有無や点火タイミング、点火プラグの劣化等が影響され、「十分な圧縮」はエンジン内部のピストンが高速で上下する事で燃焼室内の燃料ガスを爆発させピストンの上下運動を回転運動へ変換させていますが吸排気用のバルブの開閉が悪ければ「十分な圧縮」を維持出来ずエンジンの正常動作に影響を及ぼします。
GHPはエンジンを原動力にして空調を可能にしており、定期点検(定期的なエンジン消耗部品の交換)を実施する事で故障を低減させ、機器の故障時も迅速に対応致します。