お客様より「室内機より異音がしている」との事で現地調査したところ、放熱用のファンモーターベアリング部劣化により機器運転時に異音発見。
ファンモーターは室内機、室外機共に搭載されており、冷房時では室内機ファンモーターを稼働させファンを回転させる事により室内に冷風を送ります。
この時、室外機側ではコンプレッサで圧縮された高温、高圧の冷媒(フロンガス)を室外機ファンモーターを稼働させて外気へ放熱し冷風を作る準備をしています。
空調機は冷房運転時には室内機、室外機両方のファンモーターが常時稼働状態となります。
ファンモーターの中心部にはベアリングという軸(写真参照)があり軸が回転する為熱を帯びてきます。
その為、各種ファンモーター類には軸の冷却や潤滑用でオイルが塗布されていますが長年使用していくと徐々に油分が無くなっていき、金属が擦れる様な不快な音が発生します。
ファンモーターは寿命が近づいてくると前述の様に異音が発生し、そのまま使用し続けると最終的にはベアリング部分がロックしてしまいます。
ベアリングがロック状態のまま放置すると、ファンモーターへ過大な電流を供給する事により機器の漏電ブレーカーが作動する場合があり、ブレーカーが作動してしまうと系統全ての室内機の空調が使用出来なくなりますので、室内機から異音が発生した際はなるべく早めにサービス会社へ連絡して頂きますようお願いいたします。
室内機ファンモーターの交換は天井付近での作業の為、脚立上で行います。まず室内機の化粧パネル類を取り外してからファンとベアリングを固定しているナットを外してファンを抜き取ります。
そしてファンモーター固定用のボルト、ファンモーターへ取り付けのコネクターを取り外しファンモーター本体を交換します。
新品ファンモーターの取り付けを同様の手順で行い、運転確認を行います。
この時化粧パネル類や配線類が正常に取り付けられていないとファンと擦れて別の異音が発生するので注意します。
室内機のタイプや設置場所によってファンモーター交換の作業時間は様々ですが、今回の様な天井カセットタイプは比較的短時間(30分~1時間)で作業が可能になります。
型式 | YZCJ140KD |
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施工時間 | 約30分 |
運転時間 | 約47,082時間 |
エラーコード | 無し |
ファン取り外し前
ファンモーター取り外し前
ファンモーター取り外し後
その他室内機の吸い込みフィルターの詰まりや汚れ等は風量の低下による空調能力の低下に繋がりますのでお客様にて定期的に清掃お願いいたします。
又、フィルター清掃後も風量の低下が改善しない際は熱交換器フィンの詰まりの恐れがあります。
熱交換器の詰まりは高圧洗浄機使用にて洗浄が必要(有償作業につき別途見積り)となりますのでご用命の際は弊社まで連絡頂きますお願いいたします。