施設管理会社様より「床置きタイプの室内機から機外へ水漏れしている」と連絡があり現地確認の為当日訪問したところ、床置きタイプの室内機内部に設置のドレンパンが経年劣化により錆びて、錆びがひどい箇所に微小な穴が開き機外へ水漏れしておりました。
室内機にはタイプ別に壁掛け、天井カセット、天井吊り下げ、天井埋め込み等様々な種類がありますが、今回の床置きタイプとは室内機本体が地面に設置されており吸い込む空気側、吐き出す空気側それぞれにダクトを設けて冷風や温風を各箇所へ供給しています。
又、ドレンパンとはいずれのタイプの室内機にも搭載されており冷房時や加湿器で発生する水分を受けるお皿の役割を果たしています。
エアコンの室内機で発生する水分はドレンパンで受け止め、ドレンパン出口のホース又は配管を通り外へ排水される仕組みになっております。
今回の補修工事はまず錆を落とす事から始まりましたが、劣化の程度が激しい為ドレンパンの表面が剝離しこすればこする程金属部分が薄くなっていった為、慎重に作業を行いました。
錆がある程度落ちると錆を抑制させる補修剤を全体に塗布し乾燥させてから錆止め用スプレーで更に上からコーティングしていきます。
コーティング後にドレンパンの劣化がひどい箇所へ耐水性に優れたシリコンを塗って1日程度乾かし作業が完了、その後の通水テストも異常無く終える事が出来ました。
ドレンパンは通常どのタイプの室内機でも部品として交換が可能な仕様になっていますが今回の室内機は特殊な構造により交換が不可能となっており補修対応となりました。
シリコンを塗布した影響によりドレンパンの見た目は悪くなってしまいましたが、工事完了時にはお客様にも立ち会って頂きご理解頂けたので無事空調が使用出来るようになりました。
型式 | AXYP224MF |
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施工時間 | 1週間 |
運転時間 | 10,749時間 |
エラーコード | なし |
室内機(床置きタイプ)内部
※写真中央ドレンパン
ドレンパン劣化による錆び付き箇所
錆び付き箇所補修後、耐水性シリコン塗布
経年機によりドレンパン以外の他部位も腐食が見受けられたので合わせて補修した事、補修部分の乾燥に時間を要した事により修理完了までに約1週間程度費やしてしまいましたが、お客様からは「今後永く使用出来るよう丁寧な修理対応をして頂いて有難うございます」と大変喜ばれました。
今回のような修理のケースはごく稀ですが、通常使用していても金属部分は各所経年劣化により錆や腐食が発生します。
錆はとても厄介で下処理をせずに錆の上からコーティングを施しても錆の進行は止まりません。
錆を除去後に順を追って各補修剤を使用する事で錆の進行、劣化を防止します。
ホームセンターで購入可能な補修剤もありますが刺激臭が強い製品があり、素手で使用すると手荒れの原因となります。
ご自身で補修する際は保護用メガネやゴム手袋を着用にて使用おすすめいたします。