遠隔監視システムにて「E4」エラー発報により、現地機器診断に訪問。
GHP(ガスヒートポンプエアコン)ではコンプレッサを駆動させる為にエンジンを採用しており、エンジン本体が高温になるのを防ぐ為にエンジン内部に冷却水回路を設け熱を外部へ逃がしています。
同エラーが発生する要因としては冷却水ホース接続箇所からのクーラント漏れやクーラント循環用のポンプの故障、冷却水回路を切り替えるサーモスタットの故障等がありますが、運転確認した際には前述した不具合は見受けられませんでした。
その為、各部品を個別で操作した所、室外機のファンが回っていないことが判明。
冷房運転時では室内に冷たい風を供給する為に室外機側では高温の冷媒の熱をファンを回して外へ逃がしています。
この時、電気エアコンでは冷媒の熱のみ外部へ放熱しますが、GHPでは冷却水の熱も同様に放熱させており、ファンが正常作動していない影響により冷却水温度が上昇しエラー検出しておりました。
ファンが回らない要因としても様々ありますが、ファンを回すためのファンモーターへ正常な電圧が供給されておらず、原因はファンモーター電源供給用の基板裏面チップコンデンサ損傷によるものと判明。
メーカーより部品手配にて後日基板交換の旨説明したところ、幸いにも冷房シーズン前だった事もあり院長先生が「いつでも大丈夫ですよ」と快く対応して頂きました。部品納入後、現地再訪問にて基板交換実施。
基板交換作業は室外機のブレーカーをOFFとし基板を固定しているクリップとビスを外して行います。
新品基板取り付け後ブレーカーONとし室外機と室内機の通信を確立していきます。
今回のような電装部品交換時は感電防止の為にブレーカーをOFFにしてから作業を行いますが、ブレーカー復旧後はその室外機に対して接続している室内機を全て認識出来るまで3~5分程度時間がかかります。
室内機の接続台数が多いほど通信確立までにかかる時間も長く要します。
通信確立後、ファンモーター正常作動状態を確認し最終冷房にて運転データ測定実施。冷房データも異常無しの為お客様へ報告とし完了致しました。
型式 | YRMP140G1NB |
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施工時間 | 15分 |
運転時間 | 18,663時間 |
エラーコード | E4(冷却水温度異常) ※冷却水ホース接続箇所からのクーラント漏れやクーラント循環用のポンプの故障、冷却水回路を切り替えるサーモスタットの故障等 |
旧基板取り外し後
基板裏損傷個所
新品基板取り付け後
室外機基板系の故障は応急運転や仮処置が難しく、各メーカーはもちろんのこと室外機のシリーズや容量によっても部品が異なり、室外機1台当たりでも複数の基板が付属されているので各サービスカーには基本的に部品は車載しておりませんが、メーカーの在庫次第では1日~2日で修理対応が可能な場合もあります。