ガスヒートポンプエアコンは都市ガスを燃料としたエンジンの動力によりコンプレッサーを連動させ冷媒と呼ばれるフロンガスを循環させる事で冷暖房を行っています。
その為、サービスマンには空調機の知識の他、エンジンの知識も求められます。
今回の案件ではエンジンに使われる冷却水系のの不具合をご紹介いたします。
ヤンマーGHPをご使用のお客様よりエラーコード「E4」が発生しているとのご入電があり出動いたしました。
通常GHPのエンジンにはクーラントと呼ばれる不凍液が封入されており機器稼働中はエンジンがオーバーヒートしないよう冷却水ポンプを常時作動させています。
冷却水系の部品にはポンプの他にサーモスタットやモーターバルブという温度変化により冷却水回路を切り替える弁や、また放熱用のファンも水温を下げるために動作しておりこれらの部品が同時に作動する事でエンジンの冷却水温度は一定に保たれています。
診断させて頂いた所、異常リセット後機器は通常通り稼働し水温は適温にて安定しておりました。
そこで異常発生時のデータより運転データを確認させて頂いた所(GHPではメーカーにもよりますが、PCチェッカーを機器に接続する事で異常発生時のデータを抽出する事ができます)異常発生直前までは水温が安定していたのにも関わらず、その10秒後に急激に温度が上昇しているのが判明しました。
バルブ類やファンが停止した場合緩やかに水温が上昇しますが10秒程度で急激に上昇する事はありません。
冷却水の漏洩も無い事からポンプの急停止により異常が発生したものと断定いたしました。
機器はリセット後復旧しておりましたが再発生する可能性もございましたので、直ぐに部品を発注し2日後無事に作業を完了する事が出来ました。
一次出動後エラーの再発生は無かったとの事でしたが取り外したポンプを点検した所シャフト部に若干のブレが見受けられました。
軸ブレによる影響でポンプ内部に引っ掛かりが生じ急停止したものと思われます。
ヤンマーGHPのエラーコード一覧はこちら
型式 | YNMP180G1N ヤンマー |
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施工時間 | 40分 |
運転時間 | 12,341時間 |
エラーコード | E4(冷却水温度異常) ※何らかの原因で冷却水の温度が異常上昇、もしくは異常低下したときに発生する不具合 |
施工前
施工後
新旧部品
今回の案件はリセット後機器が復旧するという比較的稀なものでありました。(場合によっては見落としてしまう可能性もございました)
お客様にご迷惑をおかけしないよう弊社サービスマンは様々な故障にもに対応するため情報を共有し、日々勉強しています。
GHPでお困りの際は株式会社ミヨシテックに是非ご相談ください!