2024.08.20
エアコンには寿命があり、不調や故障が見つかった場合は修理か買い替えかを選択する必要があります。とはいえ、エアコンの寿命や買い替えのタイミングが分からない方もいるかもしれません。
本記事ではエアコンを長く使用している、エアコンが不調で買い替えを検討している方に向けて、エアコンの寿命や買い替えのタイミング、買い替えるメリットなどを解説します。エアコンを長く使用し続けるポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
家庭用エアコンの寿命は約10年といわれています。全国家庭電気製品公正取引協議会ではエアコンの部品の保有期間を9年(※1)と定めていることからも、一般的にエアコンの寿命が約10年であることが分かります。実際に、エアコンの標準使用期間や部品の保有期間を約10年と定めているエアコンメーカーも少なくありません。
内閣府の令和6年の消費動向調査によると、2人以上の世帯で使用されるルームエアコンの平均使用年数は14.1年でした。エアコンを買い替える理由は故障(70.8%)が最も多く、次いで上位品目への買い替え(10.8%)、新築・増改築・転居を含む住居変更(4.0%)という結果でした(※2)。エアコンが故障するまで使い続ける家庭が多いですが、修理や買い替え・取り付けに時間を要する可能性があります。特に夏の時期は熱中症のリスクがあるため、事前に試運転をして正常に動くか確認したり、寿命を考慮し買い替えを検討したりすることをおすすめします。
※1参考:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会.「別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間」.https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.php ,(参照2024-07-02).
※2参考:内閣府.「消費動向調査(令和6 (2024)年3月実施分) 調査結果の要点」.https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf ,(参照2024-07-02).
エアコンに異音や異臭などの異変が見られる場合は、不調や故障のサインの可能性があります。本章では、エアコンが故障した可能性がある場合のサインと不調を示すサインを解説します。
エアコンを使用していても冷暖房が効きづらくなった場合、エアコンの調子が悪かったり故障していたりするサインかもしれません。冷暖房が効きづらくなる主な原因はフィルターが目詰まりを起こしている、室外機が塞がれているなどが挙げられます。エアコンは室内の空気と一緒に空気中に浮遊する埃やゴミなどを吸い込み、埃やゴミはフィルターにたまる仕組みです。
フィルターを定期的に掃除すれば目詰まりを解消できるため、エアコンは本来の能力を発揮できるようになります。また、室外機の周囲に物があり塞がれた状態の場合も、同様に冷暖房の能力が低下しやすくなるため、室外機の周辺に物を置かないようにしましょう。
エアコンから異音がする場合は、内部の部品が寿命を迎えている可能性が高いです。保証期間を超えるエアコンを使用している場合は、買い替えを検討することをおすすめします。エアコンが発する異音には種類があります。
例えば「ガコンガコン」という異音がする場合は、エアコンの内部で部品が破損している可能性が高いでしょう。「ガラガラ」という異音がする場合は、コンプレッサーの異常が起きていると考えられます。「キュルキュル」という異音は、ファンモーターのベアリングと呼ばれる部品が経年劣化を起こしている可能性があります。
エアコンから異臭がする主な原因は、内部で発生したカビやフィルターにたまった埃です。結露の発生によってエアコン内部に湿気がたまると、カビが増殖しやすい環境になります。フィルターやエアコン内部にたまった埃はカビの栄養源になるため、放置すればカビが増殖する恐れがあります。
特に室内の湿度が上がりやすい梅雨や夏場はカビが発生しやすくなるため、フィルター掃除や結露対策を行うことが大切です。フィルター掃除やエアコンの内部清浄機能を使用しても異臭が改善されない場合は、エアコンメーカーや専門業者にエアコン内部の洗浄を依頼する、または買い替えを検討しましょう。
エアコンから水漏れが発生する主な原因は、ドレンホースの詰まりやエアコンの不調が挙げられます。ドレンホースはエアコン内部で発生した結露を屋外へ排出するためのホースです。エアコン内部の掃除が不十分だとドレンホースや熱交換器に埃やゴミがたまり、結露でたまった水が排出されなくなり、エアコンから水が漏れてしまいます。
エアコンを設置する壁から水が漏れている、吹出口から水滴が飛んでいる場合は、ドレンホースが原因の可能性が高いでしょう。エアコンから水が漏れている場合は、エアコンの専門業者に内部の洗浄を依頼するか、熱交換器の修理が必要です。
エアコンが不調や故障を起こしている場合、漏電ブレーカーが落ちることがあります。漏電ブレーカーが落ちる主な原因は、漏電やショートが挙げられます。漏電は、電気が電線から漏れ出る現象です。エアコン本体の経年劣化によって電気を制御する基盤の絶縁体が故障すると漏電が起こります。また室外機の劣化や浸水、虫や水が配管穴から侵入したことが原因で、漏電が起こる場合もあります。
漏電やショートを放置してエアコンを使用し続けると火災のリスクが高まるため、エアコンの使用を中止し、専門業者による修理またはエアコンの買い替えを検討しましょう。
エアコンを使用できないときに考えられる原因は、リモコンが故障しているか、エアコン本体に異常があって電源が付かないことがほとんどです。リモコンが故障している場合は、リモコンが正常に動けば問題を解決できるため、同機種のリモコンを購入する、または修理を依頼することで対応できます。
リモコンに異常がなくエアコン本体に原因がある場合は、エアコンの専門業者に修理を依頼するか、買い替えの検討をおすすめします。エアコンの機種によっては、リモコン自己診断機能が搭載されている機種もあるため、リモコンの購入や修理の依頼をする前に試してみると良いでしょう。
エアコンの不調や故障が見つかった場合の選択肢の一つは、専門業者に修理を依頼することです。しかし交換が必要な部品の種類や修理内容によっては、費用が高額になる場合があります。修理に高額な費用を掛けても他の部品が劣化する恐れもあり、今後も長く使い続けられる保証はありません。エアコンを修理するか、買い替えをするかの二択で迷った場合は、次に挙げる項目を基に判断すると良いでしょう。
エアコンの部品の最低保有期間は約10年と定めているメーカーは多いものの、既に製造中止している機種の場合は部品を確保できず、修理に対応してもらえない可能性があります。メーカーの保証期限内の修理対応は無償なケースもありますが、保証期間を過ぎると有償になるため、修理費用によっては買い替えも視野に入れておきましょう。
エアコンの寿命を延ばすためには、部屋の広さに合ったエアコン選びと日頃のお手入れが重要です。本章では、エアコンを長く使い続けるためにできることを詳しく解説します。
エアコンを長持ちさせるには、フィルターの定期的な掃除が重要です。フィルターに埃やゴミがたまると、異臭や水漏れの原因になりかねません。フィルターの汚れを放置し続ければ、エアコンが本来の能力を発揮できないだけでなく、寿命を縮める可能性も高まります。
エアコンを毎日使用する場合は、少なくとも2週間に1回の頻度でフィルターを掃除しましょう。フィルター掃除の方法は、フィルターを取り外して掃除機で埃を吸い取ります。掃除機で吸い取れない場合は、中性洗剤を使用して水洗いすると良いでしょう。
エアコンを長く使い続けるなら、室外機の周辺にも気を配ることが大切です。室外機の前が物で塞がれてしまうと、エアコンの不調や故障を引き起こす恐れがあります。室外機を地面に接地している場合は周囲に室外機の排気を妨げている物がないか確認し、室外機の能力を落とす恐れがある物はそばに置かないようにしましょう。また、風雨によって埃や砂、枯れ葉などの汚れが付きやすくなるため、定期的に室外機が汚れていないかの確認も必要です。
室外機を掃除する頻度は年1~2回が目安です。雑巾で水拭きをする、やわらかいブラシで汚れをこすり落とすと良いでしょう。
既存のエアコンが寿命を迎えて買い替えを検討している場合は、設置する部屋の広さに合うエアコンを選ぶことが大切です。部屋の広さに合わないエアコンを選んでしまうと、フル稼働させても設定温度に到達できず、エアコンに負荷が掛かって寿命が縮まる可能性があります。また部屋の広さよりも性能が高いエアコンを選ぶと部屋が冷え過ぎる、暖まり過ぎる状態になり、部屋で過ごす人は不快に感じやすくなるでしょう。
家庭用エアコンには、冷房と暖房のそれぞれに対応した部屋の広さが設定され「〇畳」と表記されているため、エアコンを選ぶ際の目安にすることをおすすめします。
エアコンを買い替える際は購入費用がかかりますが、買い替えることでさまざまなメリットが得られます。主なメリットとして、節電効果や便利な機能が使えることなどです。本章では、エアコンを買い替えるメリットを詳しく解説します。
エアコンメーカーによっては、約10年前のモデルと最新機種を比べると約17%の消費電力を削減している(※)ケースもあります。そのため、省エネ性能が低い旧型のエアコンを使用し続けるよりも最新機種のエアコンに買い替えた方が省エネ性能は高まり、電気代の節約につながるでしょう。
またエアコンに搭載されている機能も進化し続けており、室内を快適な温度に自動で調整してくれる機能が搭載されているエアコンも少なくありません。例えば、エアコンに内蔵されているセンサーが人の位置を感知することで、体に直接風が当たらないように暖房時は足元に、冷房時は天井に空気が流れる仕組みに工夫されています。
※参考:経済産業省 資源エネルギー庁 「家庭向け省エネ関連情報 機器の買換で省エネ節約」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/ , (参照 2024-07-02).
エアコンには、冷暖房の他にも加湿や空気清浄、換気などができる高度な機能が搭載されている機種があります。加湿機能はイオンやミストを空気と一緒に放出することで、空気の乾燥を防いでくれる機能です。空気清浄機能は、室内の空気中に浮遊する花粉や菌類などを吸い込むことで、室内の空気をきれいに保つ効果が期待できます。
換気機能が搭載されているエアコンであれば、窓を開けて空気の入れ替えをする必要がありません。また外気温に左右されることなく、室内に新鮮な空気を供給できることも特徴です。エアコンメーカーによって搭載されている機能は異なるため、設置する部屋に合う機能を検討すると良いでしょう。
一般的なエアコンの寿命は約10年とされており、製造中止から10年経つとエアコンの部品を確保できず、修理が難しくなる場合があります。修理できる場合でも高額な費用がかかるケースもあるため、エアコンの寿命が近いなら買い替えを検討するのも一つの方法です。
株式会社ミヨシテックは、大阪エリアを中心に空調工事や住宅設備機器工事などを行う会社です。家庭用エアコンの取り替え工事や新設工事にも対応しているため、エアコンの買い替えを検討している方はミヨシテックにご相談ください。