2024.05.07
業務用エアコンに異常があり修理が必要になると、修理費用の相場が気になります。修理費用は故障の原因や症状によって異なるため、普段から費用の目安を確認しておくことが大切です。業務用エアコンのトラブルで多いのは、電源が入らないケースやリモコンの不具合、部品の故障などです。
本記事では、業務用エアコンの修理で必要となる費用の相場を症状別に解説します。修理を依頼する前に確認すべきポイントなども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
業務用エアコンの修理費用は、現れている症状や故障している部分によって変わります。そのため修理を依頼する際は、ケースごとに費用相場をチェックしておくのがおすすめです。
ここでは、業務用エアコンのうち3馬力程度の小型パッケージエアコンについて、症状ごとの修理費用相場を説明します。なおビル用マルチ(EHP・GHP)などの業務用エアコンを修理する場合は、3馬力程度の小型パッケージエアコンよりも相場が上がるためご注意ください。
業務用エアコンのトラブルの一つに、リモコンを操作しても、電源が入らないことがあります。コンセントから電源プラグを抜いて再度差してみる、リモコンを一旦リセットするなどしても電源が入らない場合は、修理が必要です。
電源が入らないときの原因として考えられるのは、エアコン内部の基板やセンサー、温度ヒューズ、ファンなどに関わる部品の故障です。専門業者に修理を依頼すれば、部品が劣化や破損などしていないかを確認しながらトラブルの原因を特定してくれるでしょう。
業者の診断の結果、部品交換が必要になれば部品代と工賃を併せた額が修理費用となります。電源が入らない場合の修理費用相場は、故障個所によって部品代が異なるため、9,000円〜52,000円程度と幅が大きいのが特徴です。
リモコンの操作できない場合は、リモコン自体を修理する必要があります。液晶画面が表示されないときに考えられるのは、リモコン内部が故障している可能性です。例えば、液晶パネルや内部の配線トラブルなどの原因が考えられます。経年劣化などによって急に起こることもある内部の故障は、専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。
業務用エアコンの場合、ワイヤレスリモコンではなく壁に設置するタイプのワイヤードリモコンとなっているケースが多いです。ワイヤードリモコンが故障した場合の交換費用相場は、6,000〜8,000円程度です。修理の場合も基盤交換が必要となり、修理の費用相場は5,000〜8,000円程度が目安となります。
業務用エアコンの効きが悪くなると、なかなか設定した温度にならないため、夏は冷えず冬は暖まらないという症状が見られます。エアコン内部のフィルターや室外機に汚れがたまっている場合は、運転効率が低下し電気料金が余計にかかります。そのため、フィルターは定期的なクリーニングが必要です。
エアコン内部の温度調節器や熱交換器のパーツが故障している場合は、専門業者に依頼して部品交換をすればトラブルは解消します。部品交換にかかる費用相場は、9,000円〜190,000円程度です。部品だけの交換であれば比較的安く済むでしょう。修理費用に幅があるのは、エアコンの冷凍サイクルに不具合があった場合、空気の循環に関わるコンプレッサーの部品が高額になりやすいためです。
エアコンの室内機から水が滴っている、水しぶきが飛んでくるなどの症状が見られることもあります。エアコンの内部には外部との温度差で結露し水が発生しますが、通常はドレンホースを通じて屋外に排出されています。水漏れの原因の一つが、ドレンホースの汚れによる詰まりや劣化による損傷です。排水がスムーズに行われなくなり、トラブルにつながります。
ドレンホースを交換しても症状が改善されない場合は、冷媒回路が故障している可能性があります。冷媒回路に問題があると、冷媒ガスが漏れてしまうため部品の交換が必要です。冷媒回路のパーツには高額なものもあるため、新しいエアコンに買い替える費用と比較をしてから、修理をするかどうか検討するのも一つの方法です。ドレンホースの交換費用相場は8,000円程度、冷媒回路のパーツ交換には100,000円程度かかることもあります。
業務用エアコンの室内機に付いているルーバーが動かない状態や、ぶら下がっているような状態であれば、ルーバーの修理や交換が必要です。ルーバーは室内機の吹き出し口に付いている羽根で、冷風や温風の風向きを調節する役目を担っています。リモコンで風向きを調整してもルーバーが動かないような状態であれば、ルーバー自体が劣化などにより損傷している、またはモーターが故障していることが考えられるでしょう。
ルーバー自体を修理する場合は、6,000円〜56,000円です。業務用エアコンは、故障個所やパーツによって修理費用が大きく変わる点には注意が必要です。
業務用エアコンを作動中にそれまでは聞こえなかった異音が聞こえるときは、室内機または室外機に何らかの異常があると考えられます。
異音が聞こえる原因としては、ドレンホースやエアコン内部の電子回路パーツなどの劣化によるものが多い傾向にあります。こういった機器内のトラブルを自分で修理するのは難しいため、専門業者に依頼して交換するのがおすすめです。
ドレンホース自体を交換する場合は、先述の通り8,000円程度が修理費用の目安になります。業務用エアコンから異音がする場合の修理費用の相場は、7,000円〜110,00円程度です。室外機の交換が必要となる場合は高額になる可能性があります。
業務用エアコンから、通常はしないいやな臭いがするときは、気付いた時点で運転を注視して対処しなければなりません。悪臭の原因としては、室内機内部のカビ・汚れや排水機能の故障、電気系統のトラブルなどが考えられます。電子系統の故障は火災のリスクもあるため注意が必要です。
室内機内部のカビや汚れが原因であれば、クリーニング料金のみで済むでしょう。カビや汚れを除去しても改善しない場合は、修理をする必要があります。業務用エアコンからから悪臭がする場合の修理費用の相場は、8,000円〜35,000円程度です。部品の交換が必要になる場合は数万円かかることもあり、一般的にはこちらのケースの方が多く見られます。
業務用エアコンの電源を入れても室外機が動かない、動いてもすぐに止まるような症状があれば、専門業者に連絡して原因を調査してもらいましょう。
室外機トラブルの原因としては、機器内部の汚れや経年劣化などが考えられます。また機器内部の掃除やコンセントの差し直し、再起動しても改善しない場合は、ファンモーターの破損や冷媒ガス漏れなどの異常、室外機基盤の故障が疑われるでしょう。
室外機の修理費用の相場は、12,000円〜190,000円程度と、目安になる額に幅があるのが特徴です。コンプレッサーなど室外機のパーツは高価なため、事前に修理費用を確認しましょう。
業務用エアコンの設置場所が高い位置にある場合は、部品代に加えて足場代なども請求されることがあり、修理費用が高額となる傾向にあります。
業務用エアコンの修理は、費用相場以外に、購入時の保証期間を確認してから依頼先を検討すると良いでしょう。製品の保証期間内か、それとも保証期間を過ぎてしまっているかで、修理を依頼するべき相手が変わるためです。購入してからの年月に応じて、業務用エアコンを購入した販売店、メーカー、修理専門業者のいずれかに依頼します。
保証期間内であれば、メーカーまたは販売店に連絡しましょう。保障内容や保証範囲にもよりますが、製品を正しく使用していれば保証期間内の修理は基本的に無料になるためです。保証期間を過ぎている場合は修理専門業者に依頼するのがおすすめですが、その際は修理費用の相見積もりを取るとよいです。複数の見積もりを比べることで、費用相場を把握しながら、よりコストパフォーマンスの良い修理を選べるでしょう。
業務用エアコンの修理を依頼するときには、事前にセルフチェックしておきたいポイントがいくつかあります。まずは自分でできる範囲で原因を追求し、エアコンや室外機の掃除をしてみるとよいでしょう。
室内機の下にある応急運転ボタンを押すことで運転が始まれば、エアコン本体には問題がないと考えられます。応急運転ボタンを押しても動作しなければ、エアコン本体の修理が必要な状態といえるでしょう。
リモコンの動作が正常かをチェックするには、まずリモコンの電池が切れていないかを確認し、必要に応じて新しいものと交換します。次に、温度や風量などの機能は使えるのか、リモコンから信号は出ているのかなどを丁寧にチェックしましょう。それでもリモコンの操作が正常にできなれば、修理が必要という判断になります。
リモコンが正しく動作していて、エアコン本体にトラブルが起こると、リモコンの液晶画面にアルファベットや数字で表されているエラーコードが表示されます。エラーコードはリモコンの故障個所を示しているため、修理を依頼する際に業者に伝えると、修理がスムーズに進むでしょう。
ただしエラーコードが示す故障内容はメーカーごとに異なるため、注意が必要です。購入した際に添付されていた業務用エアコンの説明書や、メーカーのWebサイトを見ると、エラーコードがどんなトラブルを示しているのかが分かります。また、業務用エアコンを設置した業者に直接問い合わせて確認するのもおすすめです。
エアコンの室外機は、屋内の熱を排出または吸収する大切な役割を担っています。室外機の周囲に遮蔽物があると、空気の流れが悪くなることで冷暖房の機能が低下するため、注意が必要です。雪の多いエリアの場合、冬季に室外機が雪で埋もれていないかも小まめに確認する必要があります。
室外機の周りに必要なスペースは、前方20cm、後ろ側10cm、配管部分には35cm以上といわれています。改めて室外機の周囲を見て、必要とされているスペースがあるのかをチェックしておくと安心です。室外機の周辺にはプランターなどを置かないようにしましょう。
業務用エアコンの暖房や冷房の効きが悪くなっていると感じたら、室内機内部のフィルターが汚れている可能性があります。フィルターは、外部から取り込む空気をろ過してきれいにするものです。また、エアコン内部にホコリなどが入るのを防ぐ役割もあります。
フィルターに汚れがたまっていると、風量を上げても吹き出す空気の量が減るため、エアコンの効きが悪くなってしまいます。電気料金が余計にかかる、カビが発生して悪臭が発生するなどの可能性もあります。フィルターが汚れている場合は、掃除をしてから再度故障していないか動作を確認するのがおすすめです。
業務用エアコンは、トラブルが発生した際に故障箇所を修理した方が良いケースと、買い替えた方が良いケースがあります。どちらにするのかを検討する目安になるのは、主に業務用エアコンを導入してからの使用年数です。
故障したのが1年以内などの保証期間内で従来の目的どおり正しく使用していれば、基本的にはメーカー保証を使って無料で修理できます。また、グレードの高いエアコンを使用している場合も、買い替えをすると高額になるため修理する方が良いでしょう。
購入から9年以上経過した製品の場合は、業者に修理を依頼しても部品がないことがあるため注意が必要です。「修理を依頼したら予想以上に高額になった」ということを避けるためにも、部品の有無や修理費用を確認してから修理を依頼すると安心でしょう。
購入から15年以上経過している業務用エアコンの場合は、買い替える方がお得になるケースが多くあります。最新のエアコンは省エネ効果が高く、新しいものに買い替えた方が電気料金を抑えられる可能性があるためです。またコンプレッサーや冷媒ガス関係の修理など部品が高額になる場合も、買い替えを検討するのがおすすめです。
業務用エアコンの修理費用の相場は、症状や故障箇所・部品によって大きく変わるのが特徴です。おおよその修理費用を確認してから対応を検討すると良いでしょう。
保証期間が過ぎてしまった場合や修理費用が高額になる場合は、買い替えを視野に入れることもおすすめです。省エネタイプのエアコンに買い替えると電気料金がお得になるメリットがあります。
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