2024.04.10
エアコンは部屋を閉め切って使用することが一般的なため、換気は必要ないと思っている方は多いかもしれません。しかし、長時間部屋で過ごしていると空気が部屋に滞留することから、定期的に換気した方が良いでしょう。
この記事では、エアコンでも換気が必要な理由や効率的な換気のポイント、エアコン使用時の換気方法、季節ごとの換気方法などを解説します。エアコンに換気機能があるのか気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
結論から言うと、エアコンを使用するときは換気が必要です。エアコンを使用している最中や長時間家にいる場合は、定期的に換気を行うと良いでしょう。
閉め切った部屋では空気の出入りがないため、汚れた空気が溜まってしまいます。特にマンションなど気密性の高い住宅は、汚れた空気が外に出にくい構造のため注意が必要です。
部屋の中の汚れた空気には、有害物質や汚染物質が含まれている可能性があります。有害物質や汚染物質は、細菌やウイルス、カビ、ハウスダスト、二酸化炭素、ホルムアルデヒドなどさまざまです。冬にストーブなどの燃焼器具を使用する方は一酸化炭素にも注意しなければなりません。
部屋の湿度や温度が高くなると、ダニやカビが増殖してシックハウス症候群を発症する可能性もあります。シックハウス症候群では、めまいや頭痛、吐き気、呼吸困難などの症状が見られます。
定期的に換気を行うことで二酸化炭素などが含まれる汚れた空気を外に出し、新しい空気を取り入れられます。溜まった有害物質や汚染物質も外に排出できるため、感染症やシックハウス症候群などの予防にも有効です。また、換気は健康な生活を送る上で重要なだけでなく、リフレッシュ効果もあります。
エアコンにはさまざまな機能が付いていることから、換気機能もあると思う方が多くいます。しかし、一般的な家庭用のエアコンには換気機能がありません。エアコンの主たる役割は換気ではなく、あくまで部屋の温度管理です。
エアコンは室内機と室外機でつながっていますが、エアコンから出る空気は外から取り込まれたものではありません。部屋の中の空気を室内機に取り込み、温めたり冷やしたりして部屋に戻すことで室温を一定に保ちます。つまり、エアコンは部屋の中の空気を循環させて温度管理を行っていると言えるでしょう。
一部には換気機能が付いたエアコンもありますが、こうしたエアコンは外気を取り入れる吸気口が小さいため、部屋の広さによっては十分な換気はできない場合があります。
換気機能の有無にかかわらず、エアコン運転時は定期的に換気を行う必要があると認識しておきましょう。
空気中の汚れた物質を外に出して室内の空気をきれいに保つには、定期的な換気が必要です。とはいえ、窓やドアを長時間開けっ放しにしておいては、エアコンの空調効果が下がってしまいます。換気するときには、できるだけ消費電力を抑えて室温を保ちながら、効率良く行うことが必要です。
効率的な換気を行うには、「空気の流れを作る」「1時間に2回を目安に換気する」の2つのポイントを意識すると良いでしょう。それぞれ詳しく解説します。
効率的に換気するには、空気の流れや風の通り道を作ることが大切です。
部屋の窓を開けると空気の流れが生まれます。一箇所でも窓を開ければ、風の通り道ができて空気が流れやすくなるでしょう。一部屋に窓が2箇所設置されている場合は、両方を開放することで、さらに空気の流れを改善できます。
窓がない部屋の場合は、サーキュレーターや換気扇などを活用することで、人工的に空気の流れを作り出すことが可能です。
効率良く換気するには、適切な時間と頻度で行うことも重要なポイントです。
窓を開けて換気する際の目安は、1時間に5〜10分程度とされています。しかし、部屋の大きさや窓の数、エアコンと窓の距離などの条件の違いにより、空気が流れるスピードは異なります。
30分間に5分程度の換気を1回、つまり1時間に5分程度の換気を2回行えば効率良く換気できるでしょう。真夏や真冬でも、少なくとも2時間に1回は換気するのがおすすめです。
ただし、換気する時間が長くなると、エアコンの効果がなくなり消費電力も増えてしまうため注意が必要です。特に気温が下がる冬場は、短時間の換気で十分な効果があるでしょう。
窓の数や位置によって、換気する際のポイントや注意点がそれぞれ異なります。
なお、窓やドアを開けて換気すると部屋の温度が維持しづらいことから、換気中はエアコンを切った方が良いのか気になるところです。しかし、基本的にエアコンはつけっぱなしで問題ありません。こまめにつけたり消したりするよりも、つけたままにしておいた方が節電効果が高まります。
部屋に窓が2つ以上ある場合、2つの窓を開けましょう。新鮮な外気の入り口と、室内の汚れた空気を排出する出口が設けられるため、空気の通り道ができて効率的に換気できます。
また、2箇所の窓を開ける際は、なるべく離れた位置にある窓同士を開けるのがおすすめです。特に、対角線上に位置する窓を開けると、直線距離が長い空気の流れができて換気の効率が高まります。
ただし、窓同士の距離が近い場合は、換気できる範囲も狭くなってしまうため、あまり効率的ではありません。後述する「窓が一つしかない場合」の対応を参考にすると良いでしょう。
また、換気するときは窓を全開にした方が多くの外気を取り込めると考えるかもしれません。しかし、空気は狭い場所から広い場所へ移動するときに勢いが増す性質があります。そのため、入口となる窓の幅を5〜15cm程度にし、出口となる窓を全開にすると効率的に換気できるでしょう。
部屋に窓が一つしかない場合は、扇風機やサーキュレーターなどの送風機を活用して空気の流れを生み出し、換気します。
まず、部屋の窓とドアを開けた上で、扇風機やサーキュレーターなどの送風機を回します。送風機はドアではなく窓の方向に向けて設置すると良いでしょう。部屋の中から外に向かって空気の通り道を生み出すことができます。
ドアに向けて送風機を稼動させた場合、部屋の外から中に向かって流れる空気の通り道が生まれるため、部屋の中の汚れた空気がうまく排出できず換気効率が下がります。窓が一つの部屋を換気する際は、送風機の設置場所を意識しましょう。
部屋に窓がない場合は、ドアを開けて窓がある部屋と空間をつなげましょう。窓を開けると空気の流れを生みさせます。さらに、キッチンの換気扇やサーキュレーター・扇風機などの送風機を併用すると、より効率的に空気の入れ替えが可能です。
サーキュレーターや扇風機などの送風機はドアの外に向けて設置し、窓のない部屋から外に向かって空気の流れを作ることがポイントです。
キッチンの換気扇は特に排気量が大きく、広い空間でも空気の流れを生み出せます。キッチンだけでなく、浴室やトイレの換気扇も稼働させたり、他の部屋の窓も開けたりすることで、さらに効率的な換気ができるでしょう。
エアコン使用時の換気は、季節によっても適した方法が異なります。気温が高くなる夏場と気温が低くなる冬場では、設定温度や換気のタイミングなど、少し工夫するだけで、さらに換気の効率を高められるでしょう。
ここでは、夏と冬の季節に適した換気方法について解説します。
夏はエアコンの設定温度を少し高めにして、運転させたままで換気する方法がおすすめです。部屋の中の空気と外気との温度差を縮められるため、窓から温かい外気が入ってきても、エアコンの消費電力を抑えられます。
また、エアコンからなるべく離れた位置の窓を開けることも、消費電力を抑えるポイントです。エアコンから近い距離にある窓を開けると、熱気を帯びた外気をエアコンが直に取り込んでしまいます。室温を下げるためにエアコンに負荷が掛かり消費電力が増えるだけでなく、吹き出し口に結露が起こる原因にもなります。
また、長時間留守にしていた場合は、帰宅後にまず窓を開けて、部屋の中の暑い空気を外に出した後でエアコンをつけると、より効率的に室内の温度を下げられるでしょう。
ただし、夏場の換気は熱中症に十分注意しましょう。エアコンの設定温度を少し高めにしている分、高い室温が影響して体調を崩す恐れがあります。換気の効率やエアコンの消費電力よりも体調を優先し、無理のない範囲で換気を行うことが大切です。
冬の換気は、汚れた空気を外に出して快適な部屋環境を保つだけでなく、エアコンの結露やカビを抑制する効果もあるため、頻繁に行うのがおすすめです。
その際、エアコンをつけてあらかじめ部屋を暖めた上で窓を開けて換気しましょう。温かい空気は冷たい場所へ移動する性質があるため、部屋の温度が高ければ、窓を開けた際に部屋内の空気を効率良く外に出すことができます。数分間の短い換気をこまめに行えば、室温の急激な低下も抑えられるでしょう。
また、夏と同様にエアコンから離れた距離にある窓を開けて換気するのがおすすめです。エアコンと窓の距離が近いと、急激に下がった室温を上げようとエアコンに負荷が掛かり、より多くの電力を消費します。省エネの観点からもおすすめできません。
大半の家庭用エアコンには換気機能が付いていないため、清潔で快適な室内環境を整えるには換気が欠かせません。部屋の窓の数、また夏と冬の季節の違いなどにより、効率良く換気する方法が異なります。本記事で解説しているポイントを押さえれば、省エネを図りつつ効率的に換気できるでしょう。
一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われています。電気代が気になる、機能性の高いエアコンにしたいとお考えの方は、このタイミングに買い替えを検討するのも一つの手段です。
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