2023.11.28
「エアコンから風は出るけど冷たくない」「暖房にしても部屋が暖まらない」という場合、エアコンのガス漏れが起きている可能性があります。本記事ではエアコンの効きが悪く困っている人のために、エアコンがガス漏れする原因やガス漏れの可能性があるケース、対処法などを紹介します。
エアコンの不調で困っている場合は、本記事を参考にしてガス漏れが起きていないかチェックしてみましょう。
「エアコンは電気で動くのにガス漏れするの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。実はエアコンには冷媒ガスというガスが入っていて、冷媒ガスの働きによって室内を冷やしたり暖めたりできます。
基本的に冷媒ガスは補充する必要はありません。しかし、何らかの原因でガス漏れを起こしてしまうことがあります。
エアコンのガス漏れが起きると、エアコンを運転しても冷風や温風が出て来なくなります。前述したとおり、エアコンに入っている冷媒ガスは、空気を冷やしたり暖めたりするのに欠かせないものです。また、冷媒ガスが完全に漏れてしまった場合、エアコンを運転させてもエアコンは動きません。
ガス漏れと聞いて心配するのは、人体への影響です。エアコンに入っている冷媒ガスは、毒性のあるガスではありません。そのため、人体への直接的な影響はないといわれています。
ただし、古いエアコンに使用されている冷媒ガスの中にはオゾン層を破壊する作用を持ったものもあります。現行のエアコンのほとんどに使われている冷媒ガスは、オゾン層への影響はないものの、地球温暖化には悪影響です。人体への影響は少ないとはいえ、ガス漏れが起こったと考えられる場合には早めに対処しましょう。
エアコンのガス漏れが起きてしまう代表的な3つの原因を紹介します。
劣化による内部部品や配管の腐食は、エアコンのガス漏れ原因の一つです。エアコン本体に内蔵されている熱交換器が劣化して腐食すると穴が開いてガス漏れが起きてしまうことがあります。
排水のために室外機から出ているドレンホースを直接下水道につないでいる場合は注意が必要です。下水道に含まれるアンモニアなどの成分により、内部部品や配管の腐食を早めてしまう可能性があります。塩害が起こる海辺や、空気中に温泉ガスを多く含む地域にお住まいの場合も腐食が起きやすいです。
業者の取り付けミスも、エアコンのガス漏れの原因の一つです。エアコン取り付け時にきちんと接続が行われていなかったり、ナットの締め付けが緩かったりすると、ガス漏れが起きてしまいます。また、正しく取り付けできていなかったことで、内部部品が損傷してしまうケースもあります。
取り付けミスによるガス漏れは、すぐにエアコンの効きが悪くなる場合もありますが、数年経って悪くなるケースも少なくありません。取り付けミスの恐れがある場合は、できるだけ早く業者に連絡しましょう。また、エアコンの分解洗浄を行った際も、取り付けミスによるガス漏れが起きる可能性があります。
無理に室外機を移動させてしまった場合も、ガス漏れが起きてしまいやすいです。冷媒ガスが入っている冷媒管は、経年変化によって徐々に固くなります。固くなっている状態で無理に室外機を動かしてしまうと、配管や接続部分がダメージを受けたり、接続不良を起こしたりしやすいです。設置から時間が経っていないエアコンでも無理に動かすと配管が損傷してしまう恐れはありますが、特に年数の経っているエアコンは注意しましょう。
故意でないとしても室外機が倒れてしまうと、同じようにダメージを受けたり接続不良が起きたりする恐れがあります。それなりに重量があるので倒れてしまうことは少ないですが、自然災害などで倒れてしまった場合は、業者への相談をおすすめします。
エアコンのガス漏れが考えられる2つのケースを紹介します。ガス漏れの可能性がある場合に、スピーディに修理ができるように把握しておきましょう。
エアコンの風が冷たくなかったり、暖かくなかったりするのであれば、ガス漏れしている可能性が高いです。前述したとおり、冷媒ガスにはエアコンの風を冷たくしたり、暖かくする作用があります。エアコンを付けて風は出てくるのに、エアコンが効かないように感じるのであれば、ガス漏れを疑ってみましょう。
ただし、フィルターの掃除を長くしていない場合は、フィルターの掃除で改善する可能性もあります。まずフィルターをチェックして、ホコリがたまっているようなら掃除をしてみましょう。またガス漏れ以外の原因で、エアコンが効かなくなることもあります。
室外機の配管に霜が付いている場合も、ガス漏れしている可能性があります。エアコンを運転させた状態で、配管に霜が付いていないかチェックしてみましょう。配管が冷たくならない場合も、ガス漏れの可能性が考えられます。水分が付くようなら、ほとんどの場合は正常に動いています。
エアコンのガス漏れを確認する4つの方法を紹介します。エアコンが効かないと思ったら、ガス漏れしていないか自分で確認してみましょう。
まず、室外機の配管を確認しましょう。冷房モードで15分程度エアコンを動かし、外に出て室外機の配管をチェックしてみてください。
ガス漏れが起きている場合、目に見えて霜が付いていることが分かるケースも多いです。霜が付いているか分からない場合は、配管を触って冷たくなっているかどうかを確認しましょう。
室外機から出る風の温度を確認するのも方法の一つです。冷房モードでエアコンを動かした場合、正常にエアコンが動いているのなら、室外機からは生ぬるい風が出ます。もし常温の風が出ているようであれば、冷媒ガスが漏れて熱交換がうまくできていない可能性が高いです。
ガス検知器を使ってガス漏れの確認もできます。冷媒ガスは無味無臭のため、ガス漏れしていてもニオイでは確認できません。自宅にガス検知器があるなら、室外機周辺で使用してみて、ガス漏れの有無を確かめましょう。ガス検知器はホームセンターやオンラインショップなどで購入できます。
検知液を使って確認もできます。検知液とは、冷媒ガスの漏れを確認する専用の液体です。検知液を配管に吹きかけると、ガス漏れが起きている箇所で泡が発生します。ガス漏れの有無だけでなく、どこでガス漏れが起きているかも調べられます。ガス検知器同様、ホームセンターやオンラインショップなどで購入可能です。
エアコンがガス漏れした場合、漏れ出した原因を特定し修理した上で、冷媒ガスを補充すればエアコンは正常に働きます。ただし、内部部品や配管の腐食・損傷が起きている場合は部品などの交換が必要です。
冷媒ガスの補充には冷媒フロン類取扱者という専門知識を有した資格や工具が必要なので大半の方は自身での補充は不可能です。取り扱いに注意しなければ、火災や爆発を引き起こしてしまう可能性もあるため、業者に相談し補充してもらうことをおすすめします。
エアコンのガス漏れが起きている際、場合によっては買い替えが必要となるケースもあります。ガス漏れした場合も腐食や損傷のある部品を交換し、冷媒ガスを補充すれば、エアコンは元通りに使用できます。しかし、自宅のエアコンが古い場合は、買い替えが必要かもしれません。
エアコンに使われている冷媒ガスは、現在R-32という種類が主流です。しかし、約15年以上前までは、R-22という種類が主流でした。ガス漏れした場合、元々エアコンに入っていた冷媒ガスと同じ種類のものを補充しなければなりませんが、オゾン層破壊の作用を持つR-22は2020年に生産が終了しています。
自宅のエアコンがR-22を使用している場合は、補充しようとしても冷媒ガスが手に入らない可能性があります。手に入ったとしても、修理費用が高額になる可能性も高いです。
R-22を使用したエアコンは現在主流のR-32と比べると、約3倍の電力を消費すると言われています。自宅のエアコンがR-22を使用したエアコンであれば、電気代節約のためにも、エアコンの買い替えがおすすめです。
エアコンのガス漏れは内部部品の腐食や取り付けミス、無理な室外機の移動などによって起きます。人体に直接的な影響はありませんが、ガス漏れが起きると、エアコンから冷風や温風は出てきません。おかしいなと思ったら、早めの対処が必要です。
基本的に冷媒ガスを補充すればエアコンは修理できますが、古いタイプの冷媒ガスを使用しているエアコンの場合、ガスが手に入らなかったり高額だったりする可能性もあります。約15年以上前に購入した古いエアコンを使用しているのなら、この機会に購入を検討してみましょう。
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