2025.02.25
生成AIにおける「プロンプト」とは、ユーザーがAIに対して提供する指示や質問のことを指します。このプロンプトを通じて、AIは特定のタスクを実行し、ユーザーの求める情報やコンテンツを生成します。プロンプトの質や具体性が、AIから得られる出力の精度や有用性に直接影響を与えるため、適切にプロンプトを作成することが非常に重要です。
プロンプトの具体例:
文章の要約 | 「以下の文章を200文字以内で要約してください:『(要約対象の文章)』」 |
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翻訳 | 「次の日本語文を英語に翻訳してください:『こんにちは、今日はいい天気ですね。』」 |
コード生成 | 「Pythonで、リスト内の数値を昇順に並べ替えるコードを書いてください。」 |
アイデア出し | 「新しいスマートフォンアプリのアイデアを3つ提案してください。」 |
これらの例のように、プロンプトはAIに対する具体的な指示や質問として機能し、ユーザーが求める情報や結果を得るための重要な手段となります。
生成AIに効果的な指示を出すためのプロンプト作成のポイントを、具体例とともに詳しくご紹介します。
曖昧な表現を避け、具体的な数値や条件を示すことで、期待に沿った回答を得やすくなります。例えば、「短く説明してください」ではなく、「50文字以内で説明してください」と指示します。
悪い例 | 「環境問題について説明してください。」 |
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良い例 | 「地球温暖化の原因を、中学生にも理解できるように200文字以内で説明してください。」 |
AIに特定の専門家や立場を与えることで、より専門的で適切な回答が期待できます。例えば、「あなたはプロのビジネスライターです」と設定してから指示を出します。
具体例:
悪い例 | 「新商品の紹介文を書いてください。」 |
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良い例 | 「あなたはマーケティングの専門家です。30代女性向けに、新発売のスキンケア商品の紹介文を300文字で作成してください。」 |
箇条書き、表、特定の文字数など、希望する出力形式を指定することで、情報が整理された回答を得られます。例えば、「以下の情報を箇条書きで教えてください」と指示します。
具体例:
悪い例 | 「プロジェクトの進捗状況を教えてください。」 |
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良い例 | 「プロジェクトの進捗状況を、以下の項目について箇条書きで教えてください。 1. 完了したタスク、2. 進行中のタスク、3. 今後の予定、4. 課題点」 |
複雑なタスクは一度に指示するのではなく、ステップごとに細分化して指示することで、精度の高い回答が得られます。例えば、まず概要を尋ね、その後詳細を求めるといった手順です。
具体例:
期待する回答の例を示すことで、AIが求める形式や内容を理解しやすくなります。例えば、「以下の形式で回答してください…」と具体的な例を提示します。
具体例:
悪い例 | 「レポートを作成してください。」 |
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良い例 | 「以下のような形式で、売上分析レポートを作成してください。 \n\n\n1. 総売上:\n2. 前月比:\n3. 売上増加の要因:\n4. 今後の対策:\n」 |
「~しないでください」よりも「~してください」といった肯定的な表現を用いることで、AIが適切に解釈しやすくなります。
具体例:
悪い例 | 「専門用語を使わないで説明してください。」 |
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良い例 | 「初心者にも理解できるよう、平易な言葉で説明してください。」 |
最新のモデルは性能が向上しており、より高精度な回答が期待できます。例えば、ChatGPTの最新モデルを利用することで、複雑な指示の理解や文脈の把握が向上します。
具体例:ChatGPT Plusに登録し、最新のGPT-4モデルを使用して、より高度な文章生成や問題解決を行う。
これらのポイントを意識してプロンプトを作成することで、生成AIからより的確で満足度の高い回答を引き出すことができます。
プロンプトを適切に作成するためには、これまでに紹介したコツを使うほかに、ユーザー自身のプロンプト記述の能力を上げる必要があります。ここで「プロンプトエンジニア」と呼ばれる職種をご紹介します。
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTなどの生成AIがユーザーの意図に沿った最適な回答を生成できるよう、指示文(プロンプト)を設計・最適化する専門家を指します。彼らは、AIモデルの特性を理解し、適切なプロンプトを作成することで、AIの出力精度を高める役割を担っています。
プロンプトエンジニアの主な仕事内容:
プロンプトの設計・開発 | ユーザーのニーズに合わせて、AIが適切な回答を生成できるようなプロンプトを作成する。 |
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プロンプトの最適化・メンテナンス | AIの出力結果を分析し、プロンプトを調整・改善して、より高品質なコンテンツ生成を目指す。 |
AIモデルの分析 | さまざまなプロンプトを試行し、AIモデルの応答傾向を把握。これにより、モデルのトレーニングやチューニングを行い、回答精度の向上を図る。 |
プロンプトエンジニアに求められるスキル:
AIおよび自然言語処理(NLP)の知識 | AIの仕組みやNLPの基本を理解し、AIがどのように人間の言語を処理するかを把握する能力 |
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プログラミングスキル | 特にPythonなどの言語に精通し、AIモデルの実装や分析を行う技術 |
論理的思考力と言語化能力 | ユーザーの要望を的確に理解し、それを明確なプロンプトとして表現する力 |
幅広いビジネス知識 | 多様な業界や業務に関する知識を持ち、各分野でのAI活用方法を提案できる能力 |
AI技術の急速な発展に伴い、プロンプトエンジニアの需要は高まっています。特に、生成AIを効果的に活用するためには、プロンプトエンジニアの専門知識が不可欠とされています。
プロンプトエンジニアになるためには、前述のスキルを身に付けることに加えて、実戦経験の積み重ねや関連資格の取得等が役立ちます。
実践経験の積み重ね:
プロンプト作成の練習 | ChatGPTなどの生成AIツールを活用し、さまざまなプロンプトを試行錯誤することで、効果的なプロンプト作成のコツを掴むことができます。 |
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プロジェクトへの参加 | インターンシップやフリーランスのプロジェクトに参加し、実務経験を積むことで、実践的なスキルを向上させることができます。 |
関連資格の取得:
G検定(ジェネラリスト検定) | ディープラーニングの基礎知識を有していることを証明する資格 |
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Python3エンジニア認定基礎試験 | Pythonの基本的な知識とスキルを証明する資格 |
Python3エンジニア認定データ分析試験 | Pythonを用いたデータ分析のスキルを証明する資格 |
FCEプロンプトゲートは、「プロンプト」の記述を補助するツールです。FCEプロンプトゲート独自のプロンプトのノウハウである「AIプロンプト 8+1 の公式」から、プロンプトの記述方法を学びつつ自身でテンプレートを作成することができます。また130個以上ものテンプレートが用意されており、自身で記述を行わなくても最初からプロンプトのスゴさを体感することができます。
また、「プロンプトエンジニア資格講座」として、プロンプトエンジニアとして認定されるための「初級」「中級」「上級」の3種類の資格講座が用意されています。 受講者のレベルに見合ったものが用意されているため、ただ学ぶだけではなく明確な目標に向けた学習環境を用意されるので、従業員のモチベーションアップにも繋がります。
以下の記事もご参照ください。
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