2023.12.25
先日、初めて社内DX発表会を執り行いました。
ミヨシテックは2022年7月にDX認定を受けましたが、現在も変わらず日々業務効率化の向上に努めております。システムに特化した部署のみならず、全部署が率先してITツールなどを活用し業務改善に取り組んでいます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とはデータとデジタル技術の活用により企業を変革し、競争力の優位性を保っていくことです。DX認定とはDXの実現に向けて取り組みの為の準備が整っている企業を認定する制度です。
現在日本のDXはアメリカよりも推進がされておらず、人員不足とデータ不備などが課題とされております。
そんな日本のDX認定企業ですが、2023年12月現在で1,104社です。
主に大企業が数を占めておりますが、中小企業、個人事業主で取得する会社もあります。
DX認定社数は以下の通りです。(2023年12月時点)
大企業-中堅 | 738社 |
---|---|
中小企業 | 305社 |
小規模企業 | 26社 |
個人事業主 | 8社 |
不明 | 27社 |
参考URL:https://disclosure.dx-portal.ipa.go.jp/p/dxcp/top
先日執り行われた第1回社内DX発表会の内容を少しだけご紹介します。
投票で1位2位3位の部署には賞金が贈られました!1位は同率だったので2部署になりました。
ミヨシテック各部署が取り組んでいる業務改善を上位3部署の内容をちら見せしちゃいます。
月平均10件の発注書作成業務をデジタル化しました。
導入前は、メーカー様より発注明細書が発行され、明細書とともに発注書の鏡を作成し、工事担当者から順に上長→社長へ回覧して確認印の押印作業を経て協力業者様へ郵送という流れでした。
課題として以下が挙げられます。
上記の課題を乗り越えるためにkintoneで管理することを考えましたが、確認印の仕組みをどうするかで躓いていました。
ここからデジタル化するにあたり、最初に発注書の鏡を作成していたエクセルデータからどんな情報が必要かの洗い出しを行い、戸建て住宅と集合住宅のデータの異なる部分に注目しました。
次にエクセルデータを元にkintoneのアプリを作成しました。
必要事項を入力できるようにし、掛け率の計算式を用いて自動で計算を反映できるようにし、イレギュラーにも対応できるように手動で修正できるフィールドの作成をしました。また、担当者のチェック状況により、確認印の名前を変更できるようなフィールドも設けました。
次に発注書の鏡を印刷できるように、プラグインにて帳票設定を行い、確認印を表示できるようにしました。
最後にプラグインを介して、レコードが作成されると担当者と上長へchatworkへ通知が飛ぶようにしました。
また、発注書の現在の状況が一目で分かるようkintone上に担当者ごとの未確認の件数をグラフ化しました。
これにより、発注書作成から送付までのスピードが加速し、導入前まで平均21日~1か月以上かかることもあった作業でしたが、すべてkintone上での確認に変化したことにより上長や社長が出張で社内にいなくても外出先から確認ができ、即日送付も可能になりました。
また、発注先の業者様や工事担当者の訂正変更が容易になりました。以前は訂正があると作り直し回覧のするというひと手間かかっていましたが、金額に変更がなければkintoneアプリのフィールドを編集するだけで訂正した業者名や担当者名で鏡の出力が可能になりました。
発注書の状況確認においてはkintoneで発注書の状況をグラフ化したことにより、これまでの「発注書を各担当者の机から3~5分かけて探す」という作業がなくなり探す時間が0分に短縮されました。
さらに、今まで作成した発注書は控えをとってファイルに保存していましたが、kintoneアプリのレコードとして作成段階ですでに保存しているため控えの作成が無しになりました!
1件約7枚なので1か月70枚、1年で840枚の印刷工数が0になりました。
導入してから「chatworkとkintoneの通知機能で連絡をくれてもほかの通知で流れてしまって気づけないんだよ・・・」という声もあり、kintoneの個人スペースに確認してほしいレコードの一覧を貼り付けることによって確認忘れを防ぐことができるようになりました。
・本社機能の異動に対応できた
取り組んでみて、9月2日のショールームオープンに伴う本社機能の異動に対応することができたのが一番の成果だと感じました。本社機能が池田事務所に異動したことにより社長が本社にいないことが増えましたが、デジタル化したことによって社長が本社に不在でも対応できるようになりました。
・アプリ作成に伴う自身のスキルUP
もともと発注書の作成ができなかったアプリ開発者もアプリ作成をしたことで、発注書を作成できるようになりました。
・業務効率化ができた
グラフを活用して、担当者へフォローする仕組みづくりができ、業務効率化につなげることができました。
Q.グラフで未対応の案件が見れるのがとてもいいと思いましたが、実際にグラフ化して万が一に未対応の案件があった際にはどのようなフォローをされているのでしょうか。
A.週に1度、事務スタッフが進捗を確認し、未対応の案件があった場合にchatworkで伝達したり、直接顔を合わせたときに伝えるなどしてフォローしています。
すごくレベルが高い発表でした。
誰でもできるように平準化していることがポイントだと思います。ITツールを用いてDX化をすることにより、人と人とのコミュニケーションが円滑になります。ITツールを平準化したことにより操作のずれや話のずれが生じないのでコミュニケーションがより円滑になっていくいい事例だと思いました。
使用頻度が少ない在庫をストックしすぎており、在庫があふれかえって倉庫の通路に直置きしてしまっていました。
kintoneで過去の出庫数を割り出しましたが、最低在庫数は施工管理者の感覚で決定していました。
また、ほとんど出庫していない部材の扱いに困っていました。
今期から分析ツールの導入があると聞きましたが、具体的にどうすれば良いかはわかりませんでした。
そんな時、社内昼食会での社長への質問で「分析ツールが導入されると聞きましたが、設備課の中でも使えますか?」と伺ったところ「部材管理するよう部長と作り始めているからそれを使うといいよ」とご回答いただきました。
そして翌日、社長により分析ツールサイトの登録申請がすぐ手続きされており、サイト内での分析ツールについての講座を受けることができました。
ある程度分析ツールとは何かを理解できました。私が理解した分析ツールは以下の通りです。
普段からkintoneにガス工事情報の入力、ガス栓やガス材料の出庫データ入力を習慣化していましたので、今回はkintoneのデータを主に取り込みました。
最低限理解できるようになったところで、打合せを行いました。
複数の異なるデータを関係づけるという「リレーション」という操作を進めていただきました。
リレーションしたことにより、kintone内のばらばらなデータを紐づけ、一か所にまとめてみることができるようになりました。
その次に実際の過去の出庫数を調べてみました。
品名コードを検索にかけるとその材料についてのデータが表示されるように自分たちが分かりやすいようにカスタマイズしました。
1回の最大出庫数を調べたり、品名コードから部材名も表示させたりできました。
調べていくと、1回あたりの出庫数が急に多くなっている月がありました。どの現場で何個出ているか詳細表示させると、20個以上の出庫は学校=大型物件で出庫していることがわかりました。学校以外では集合住宅の新築工事での平均出庫数は5~6個でした。
このデータにより、最低在庫数を5個とし、学校や戸数の多い集合住宅で多数必要になる場合は都度発注することとしました。また、在庫を全て一か所に集めて明示し、在庫が9個あったので、倉庫担当者と大型物件の注文が無ければ5個を下回るまで注文しないことを確認し共有しました。
分析ツールを使用し在庫管理を行ったことで、確実なデータを元にした最低在庫数・最高在庫数の設定ができました。
またガス材料がいつどんな現場で出ているのかをすぐ出せるので、材料の動向をリアルタイムで見られるようになりました。
(例)2021年にはほとんど出なかったのに2022年から急によくでるようになったガス材料については大阪ガスの施策の変化によるもので2つの現場で同時に出庫することもあり、在庫数を4としました。
過剰在庫になっていた部材の多くは、1年に1~2個ずつでも出庫していたので「あるのに注文する」自体を防げばいずれはなくなることが分かりました。倉庫担当者の協力のもと整理整頓(=在庫数の把握と明示)を継続して行いました。
その結果、過剰在庫は確実に減っていました!
本来材料を置く棚があるのに入りきらず別の場所に置かれていた在庫の数を比較してみると、
139-*** ●●15A 2022/07/04 39個→2023/11/20 17個に減少
138-*** ▼▼20A 2022/07/04 3個→2023/11/20 0個に減少しておりました。
大阪ガスの品名コード改定とともに、使用頻度の少ない部材についてロット数が1になるので今後「1個だけでも良いのに10個来てしまい、あと9個の処遇に困る」ことはなくなり、管理もしやすくなる予定です。
また、現在kintoneには入庫データが入っていないため、kintoneで入庫から管理できれば倉庫内の在庫数をリアルタイムで見られるようになると考えており、来年から上長や倉庫担当者に相談しつつ進める予定です。
・分析ツール
あくまでも分析ツールなので、そこから何を得てどう行動するかが大事だと思いました。
・何事もやってみないと前に進めない
完全に知識のない状態から、社長に相談したのをきっかけに急激に話が進んで驚きました。何事もやってみないと前に進めないと実感しました。
・kintone習慣化の賜物
普段からkintoneにデータ入力をすることを習慣化してきた賜物だと感じました。
Q分析ツールを使用して分析するのとkintoneのグラフなどで分析する違いなどは感じましたか?また、分析ツールを使用してみて実際の使い勝手はいかがでしょうか。
A.私自身kintoneを使いこなす管理者側ではなく、一般ユーザーなのでkintoneでのグラフなどは使用したことがありません。分析ツールについては本当にわかりやすく使用しやすかったです。
分析ツールとはなにかを理解せず目先だけで使用してしまうのはよくないことなので分析ツールというものをしっかりと理解したうえで使用したことがとてもよかったと思いました。
ITツールを活用するということの重大さを再確認させられるいい発表でした。
私たちメンテ課はkintoneでアプリを作ることでもなく、分析ツールで分析することでもなく、様々なITツールを活用することでも、もちろん今回の発表用に作ることでもありません!
IT化を進めてDX認定企業になっているミヨシテックですら、目的はあくまで利益UPです。効率化を図り経費を下げ、意識の向上から売価、利益のUPに向けて取り組んでいるITツールの活用をテーマにさせていただきました。
「どうせ使うなら業務に役立てるように使いたい」という人と「できるだけ使いたくない!」という人がいるというITツール活用に対する意識の差が大きいということです。
ITツールを活用することにすら抵抗のあるメンバーもいましたが、まずは慣れることから始めて効果につなげていきたいと考えました。
・受付ノートのデジタル化
手書きの超アナログ受付ノートをkintoneのアプリにしました。
毎日案件を登録することで自然とkintoneになれていきました。今では問合せ管理というアプリに紐づいて情報集約にもつながっています。
・HP事例登録カップアプリ
ホームページ用のメンテナンス事例を集めるためのアプリです。以前はエクセルで事例のネタを集めていましたがなかなか集まりませんでした。
kintoneでアプリ化したことによりグラフで事例提供ランキングが一目でわかるようになり闘争心の芽生えから事例が増えていきました。
・チキチキ提案ダービーアプリ
私たちGHPメンテ課は大阪ガスの委託業務がメインですが、委託業務だけでは十分な利益は確保できません。
そこで必要なのが委託業務外の売り上げです。委託業務が受け身なのに対し委託業務外の提案は攻めの営業活動なので簡単にはいきません。
提案・受注の一覧をダッシュボードで見えるかすることで有償提案という営業の種をまく意識を向上するためのアプリがこの提案ダービーアプリです。
・建築メンテQ&Aアプリ
お客様ごとの特別なルール、見積りや請求の注意事項や報告書の提出に関すること、大阪ガスのマグネットやタブレットに関することなど建築メンテに関するQ&Aを集めたアプリです。困ったときの強い味方になるアプリに育っていきます。
そのほかにも様々なアプリを作成し現在活用しております。
KI分析ツールを用いて担当エリアのGHP約8,500台の対応履歴を分析することで、修理対応のトレンド部品や更新につなげる営業ツールとして活用しています。
目的に対しての成果は以下の通りです。
DXがもたらす成果は今後もたくさん増えていきます。
kintone・Robo-Pat・Chatwork・box・ANDPAD・楽楽精算・カイクラ・アルコールマネージャー・KING OF TIME、大阪ガスのMUGNET・COM、その他諸々
様々なITツールを使用することによるメリットとして、情報の集約による一元管理、業務効率化による固定費の削減、営業ツールとしての活用による売上向上など他にもまだまだたくさんあると思います。各種ITツールを繋げて成果を出し続けるDX認定企業ミヨシテックは、既に“ひとつなぎの大秘宝”と同等の価値を手に入れているかもしれません。
私たちは今後も新しいことにチャレンジし続けて成長していきます。
Q.実際にこれだけの情報を集約されていて、時間もかかったと思うのですが、役割分担でデータを入力しているのかそれともメンバー全員がデータ入力をしているのでしょうか。
A.毎日の問い合わせ案件の入力など必要なことなので全員が必然的に取り組めるようになりました。
まずは慣れることとおっしゃっていましたが、すでにいろいろな視点から物事を考えられていて改善していっているなと感じました。何に気づくか、どういうことに気づくかが重要だと思いました。ITツールは世の中にたくさんありますが、ITツールを使用することだけが改善ではなく、使用せずに手作業でも構わないわけですが、そういう意味では数字もしっかりみてらっしゃって成果もあげられていて非常にバランスのとれた事例でした。
ここまで3部署の発表を掲載してみました。いかがでしたでしょうか。
他にも10部署の発表がありましたが、さらに詳しく聞きたい人は是非弊社の会社見学会へお越しください!
会社見学会では社内見学のみならず、実際の現場で業務改善事例の発表やRPAロボパットやkintoneを体験していただけるよう準備しております。
業務改善のヒントや気になることは現場で直接質問もできますので、是非お越しください!