図面どおりに進まない現場こそX線探査が効く。
法人改修のリスク最小化術

X線による非破壊検査

2025.12.25

Column

工場の稼働ライン、病院の医療機器、学校の授業スケジュール。
法人施設の改修工事では、「止められない現場」が当たり前の前提として存在します。

設備を更新しながら、日常の業務や利用者の動きをできる限り妨げないこと。
多くの法人担当者にとって、これは工事の成否を左右する最重要ポイントです。

ところが、どれだけ段取りを整えても、必ず不安材料として残るのが――「コンクリートの内部がどうなっているのか分からない」という問題。

図面はある。経験値もある。
それでも、築年数・改修履歴・用途変更を重ねてきた建物の内部は、“必ずしも図面どおり”ではありません。

実際、穿孔工事の直前まで順調に進んでいた案件でも、予想外のところに配管が走っていたり、鉄筋が密集していたりして、予定していた工程が止まってしまうケースは少なくありません。

穿孔位置を変える。
ルートを引き直す。
関係部署に説明する。
作業延長・再調整…。

現場がストップした瞬間、工期・コスト・利用者調整といった“波紋”が一気に広がっていきます。

だからこそ、法人現場ではいま「どこでX線内部探査を使うと最も効率が上がるのか?」という視点が重要になっています。

X線探査は、単なる“穴をあける前の確認”ではありません。
工事全体をスムーズに進めるために、最適なタイミングで情報を得るための“工事戦略ツール” として活用することで、止められない現場の改修工事を、計画どおり確実に進める力になります。

次章では、実際の法人現場で起こりやすい“止まるポイント”を踏まえながら、X線探査を「どこで使うと一番効くのか」を具体的に解説していきます。

現場が止まる理由の8割は“内部が読めない”ことにある

法人の改修工事では、工程が止まる原因の多くが「想定していた内部状況とのズレ」です。穿孔位置を決めたあと、いざ作業を始めてみると「配管が想定より手前にあった」「図面にない鉄筋が密集していた」「増設されていたケーブルが横切っていた」というケースは珍しくありません。

これらの多くは決して施工不良ではなく、建物の歴史そのものが原因です。長年使われてきた施設では、改修や増設が繰り返され、部分的な補修やテナントの入れ替えで、内部の状況が複雑に変化しています。図面が残っていても、更新されていない箇所が混在していることもよくあります。

つまり、現場が止まる最大の要因は「内部が見えないまま進めてしまうこと」。そして、この“見えない”という不確定さが、穿孔事故や工程変更につながり、工事全体のリスク要因になります。

穿孔位置を変えるだけで済むこともありますが、場合によっては計画ルートそのものを組み直す必要が生じるため、工程への影響が大きくなりがちです。特に工場や病院、学校など「使いながら工事をする」現場では、たった1日の遅れでも、利用者や関係部署に大きな調整が必要になります。

だからこそ、現場の“止まりポイント”を事前に減らすことが、法人工事の成功につながります。

内部が読めないことが工程に与える影響

図面上では問題がないはずの位置でも、いざ穿孔しようとすると次のような“あるあるトラブル”が起こります。

  • 図面にない配管が通っていた
  • 既存鉄筋が予想以上に密集していた
  • 古い増設ケーブルが思わぬ角度で横切っていた
  • コア位置だけピンポイントで補強筋が集中している
  • 以前のテナント工事の痕跡が残っており内部が不規則

これらは施工不良ではなく、建物の歴史そのものが生み出すズレです。特に以下の要因が重なると内部は“図面どおりではない”状態になりがちです。

 

  • 改修・増設を繰り返してきた施設
  • テナント入れ替えや用途変更を何度も経験している建物
  • 古い図面しか残っておらず更新が追いついていない案件
  • 長年の補修で内部配管が微妙にルートを変えているケース

この“読めない内部”が原因で、現場は次のような影響を受けます。

  • 穿孔位置の変更が必要になり作業が中断
  • ルートの引き直しが発生して工程が遅延
  • 関係部署や利用者への再説明が必要になり調整が増加
  • 工場・病院・学校などでは「止められない時間帯」での工事が難しくなる

特に法人施設では、工事を止めることで次のような重い負担が発生することがあります。

工場 ライン停止による生産ロス
病院 医療機器の停止や動線変更の負担
学校 授業や行事スケジュールの変更
商業施設 テナントと営業時間調整の必要性
オフィス 通信・電源系統のトラブルが即トラブルに直結

つまり、工程を乱す最大の敵は“内部が読めないこと”。この不確実性が、工期、コスト、利用者調整のすべてに影響を与えます。

だからこそ法人現場では、「どこまで事前に内部を見える化し、どこでX線内部探査を使うか」
が極めて重要になります。

次章では、実際の法人施設で「X線探査が最も効く瞬間」を、用途別のシナリオで分かりやすく解説します。

X線内部探査が“一番効く瞬間”とは?用途別シナリオで考える

「X線内部探査をやるか、やらないか」ではなく、「どのタイミングで、どの場所に使うと一番効果が高いか」を決めることが、法人現場ではとても重要です。ここでは、工場、病院、学校という代表的な3つのシーンで、X線内部探査が特に力を発揮する瞬間をイメージしやすい形で整理してみます。

工場の場合:ラインを止めずに設備更新したいとき

工場の改修工事では、「生産ラインをどれだけ止めずに済ませるか」が最大のテーマになります。実際の現場では、次のような条件が重なりがちです。

  • 機械やラックが並び、床や壁の全体が見えない
  • 生産設備の配管やケーブルが過去の改造で複雑になっている
  • 停止できる時間帯が限られており、夜間や休日に集中して工事する必要がある

このような状況で、もし穿孔時に配管やケーブルを損傷してしまうと、ライン停止が長期化し、工期だけでなく売上や納期にも影響が出ます。

工場でX線内部探査が一番効くのは、次のようなポイントです。

  • 基幹設備のすぐ近くを通る配管ルートを決めるタイミング
  • 高さのある壁面や、足場や高所作業車を組んでまで穿孔する前
  • 「ここで失敗すると復旧が大きな工事になる」という重要箇所の最終確認

事前にX線で「ここは安全に貫通できるライン」「ここは避けるべきライン」を見極めておくことで、限られた停止時間の中でも迷いなく穿孔でき、結果としてライン停止時間の短縮につながります。

病院の場合:医療ガスや重要電源の近くで工事するとき

病院は、建物の中でも特に「失敗が許されない」施設です。医療ガス配管、非常用電源、通信系、これらの周りで行う穿孔工事は、慎重さが求められます。

病院ならではの条件として、例えば次のようなものがあります。

  • 病棟や手術室周辺など、切断してはいけない配管やケーブルが集中している
  • 昼間は患者さんやスタッフの動きが多く、夜間や早朝にしか工事ができない
  • 少しのトラブルでも診療スケジュールや手術予定に影響してしまう

このような現場でX線内部探査が真価を発揮するのは、特に次の場面です。

  • 医療ガス配管や重要電源の「すぐそば」に新しいルートを通したいとき
  • 手術室や検査室の近くで、壁やスラブに貫通孔をあける計画を立てるとき
  • 病院側に対して、「ここまで安全確認を行いました」と説明する資料が必要なとき

単に内部を確認するだけでなく、X線画像をもとに「どこまで近づけるか」「どの位置なら安全か」を医療側と共有できるため、安心感の高い意思決定につながります。

学校・公共施設の場合:利用者の安全とクレーム抑止がテーマのとき

学校や体育館、ホールなどの公共施設では、工事の安全性はもちろんのこと、「利用者や保護者への説明責任」も重要なポイントになります。特に体育館や講堂は、空調や照明の更新に伴い、壁や天井への穿孔が多く発生する場所です。

学校や公共施設の現場では、次のような状況がよく見られます。

  • 行事や授業の合間を縫って工事する必要がある
  • 児童・生徒、保護者、一般利用者など、関係者が多い
  • 万が一の事故がニュースやクレームにつながりやすい

こういった現場で、X線内部探査が特に効果を発揮するのは次のような場面です。

  • 体育館の壁や床に空調設備の配管・ダクト用の貫通孔を計画するとき
  • 耐震補強や設備更新で、構造上重要な壁や梁に近い位置で穿孔する必要があるとき
  • 教育委員会や管理者に対して、安全対策の内容を示す必要があるとき

X線で事前確認をしたうえで工事を進めることで、「見えない部分まで配慮した工事が行われている」という安心感を提供でき、結果としてクレーム抑止にもつながります。

このように、X線内部探査は「どの現場にも一律で必要」というよりも、「失敗できない場所」と「現場を止めたくない事情」が重なるポイントに集中的に使うことで、最も大きな効果を発揮します。

次の章では、レーダー探査やダイヤモンドコア工事との組み合わせ方を踏まえて、「全部をX線でやらなくても、現場全体のリスクを大きく減らす考え方」について整理していきます。

全部をX線で調べなくてもいい ― “要所にだけ効かせる”探査設計という考え方

法人の改修工事では、常にコストと精度のバランスを取っていく必要があります。「安全のために全部X線で見よう」と考えると、費用も時間も膨らんでしまいます。しかし実際には、ポイントを絞ってX線を使うほうが、工程全体の合理性が高いケースが多く見られます。

ここでは「どこをX線で押さえれば現場のリスクを大幅に下げられるか」という“探査設計”の考え方をまとめます。

Step1:まずレーダーで全体像をつかむ(広域・高速スクリーニング)

レーダー探査は次のような場面で有効です。

  • 広い範囲の概況をざっと把握したい
  • 優先して精査すべきポイントを抽出したい
  • 稼働中の施設で制限をかけずに調査したい

レーダーはスピードが早く、建物の“傾向”が短時間で見えます。

レーダーでわかること(例)

  • このエリアは鉄筋が比較的疎ら
  • このライン上は何かしら設備が集中していそう
  • ここは水分が多く信号が乱れているため注意が必要

まずはレーダーで「危険ゾーン」と「安全ゾーン」の地図をつくるイメージです。

Step2:“外せない場所だけ”X線で精査する(ミリ単位の確定作業)

レーダーの結果、以下に該当するポイントはX線での精査が非常に有効です。

  • 穿孔位置がミリ単位で決まっている
  • もし切断したら復旧に大きな影響が出る配管・ケーブルが近い
  • 図面情報と現場状況に大きな乖離がある
  • 鉄筋が密集しており、レーダーの解像度では判断しきれない
  • 穿孔を移動しにくい“最終位置”の決定点となる場所

このように、X線探査は「全部を撮る」のではなく、 “現場を止めるリスクが最も高い箇所にだけ集中して使う”と最も効果が大きくなります。

Step3:探査結果をもとに“施工手順そのもの”を調整する

探査は単なる「調べる作業」ではなく、施工の段取りに影響します。

例えば、探査によって次のような判断ができます。

  • 穿孔位置の順番を変えることで作業効率が上がる
  • 配管の通し方を少しずらすことで他工種との干渉を回避できる
  • 高所作業車や足場の使用タイミングを最適化できる
  • 夜間・休日作業の回数を最小限に抑えられる

つまり、X線探査は“施工工程全体を整理し直すための材料”になります。

Step4:工事主・管理者・利用者への説明材料として機能する

法人現場では、施工よりも「説明」が求められることがあります。

  • 工場の設備管理部門
  • 病院の設備担当者・医療関係者
  • 学校・公共施設の管理部署
  • 施設を利用するテナントや事業者

X線画像は、これらの関係者に対して「ここまでの安全確認を行いました」という“説得力のある証拠”になります。

→ 結果として、承認が早くなる、クレームが減る、説明がスムーズになる。

結論:X線は“全部ではなく要所に効かせる”ほうが現場は止まらない

  • レーダーで広く早く状況をつかむ
  • X線で最重要ポイントだけ精査する
  • 探査結果をもとに施工手順を最適化する
  • 説明資料として活用することで承認が早くなる

この設計で進めると、調査費用を抑えつつ、“止まらない工事”を高い確度で実現できます。

次章では、こうした探査設計が特に効果を発揮した「典型的な3つの成功パターン」を紹介します。

X線探査を“要所だけ”に使うことで現場がスムーズに進んだ典型的な成功パターン

ここからは、実際の法人現場でよく起きるシナリオをもとに、「X線探査を全部ではなく、要点だけに効かせたことで工程が止まらず進んだ」ケースを3つに整理して紹介します。どれも工事管理者が抱えがちな“現場ストレス”を軽減した成功パターンです。

成功パターン①:図面と現場が一致しない古い建物で、重要ポイントだけX線で押さえたケース

古い工場や公共施設では、図面と実際の内部が一致しないことが非常に多くあります。
しかし、全部をX線で調べていたのではコストも時間もかかりすぎるため、次のようなアプローチが効果を発揮します。

実際にあったシナリオ

  • レーダーで広範囲を確認したところ、配管の密度にバラつきがある
  • 主要ルートのうち「3箇所だけ」特にリスクが高いと判断
  • その3箇所だけX線で精査
  • 結果、1箇所は鉄筋密集、1箇所は想定外の電線管、1箇所はクリア

得られたメリット

  • 施工前にルート変更を決断でき、工程中断を回避
  • 不要なX線撮影を省くことでコストを圧縮
  • “全部調べなくても核心が読める”合理的な探査設計が機能

特に、複数階にわたる配管ルートの工事など、施工量が多い現場ではこの方法が非常に効果的です。

成功パターン②:病院の夜間工事で、穿孔直前の“確定点”だけX線で確認したケース

病院では、工事による振動や騒音に敏感なエリアが多く、昼間の施工が難しいことがあります。このため夜間工事が中心になりますが、夜間にやり直しが発生すると翌日の診療に影響してしまいます。

実際にあったシナリオ

  • レーダーで概況を把握していたが、手術室付近の1点だけ情報が曖昧
  • その位置が配管ルートの“折り返し点”であり移動が難しい
  • その一点にだけX線を使用して確定情報を取得
  • 結果、鉄筋位置が予想より浅く、数センチの位置調整で回避可能と判明

得られたメリット

  • 手術室エリアを夜間1回の施工で完了
  • 医療ガス・電源系統のリスクをゼロに近づけた
  • • 「安全確認が十分」という資料を病院側に提出でき、承認がスムーズ

病院のような“説明責任が重い現場”では、X線画像そのものが工事の信頼性を高める武器になります。

成功パターン③:工場の高所穿孔で、足場・高所作業車の稼働を最小化できたケース

工場の壁面では、高所でのコア抜きが多く発生します。足場や高所作業車はコストも大きいので、できるだけ移動や再設置を減らすことが重要です。

実際にあったシナリオ

  • コア位置が縦に複数並ぶため、位置ずれが起きると再度昇降が必要
  • レーダーでは位置が読み切れない1点がネックになっていた
  • 問題の1点だけX線で確認し、他はレーダー情報で十分
  • 結果、穿孔作業を“上から一気に”進められると判断

得られたメリット

  • 高所作業車の上げ下げ回数が大幅に減少
  • 足場の再組立が不要になり工期短縮
  • 作業スタッフの安全性も向上

高所作業では、「行ったり来たりを避ける」=最重要課題です。その決定点をX線で確実に押さえるだけで、全体の効率が大きく改善します。

成功パターンに共通する“最大のポイント”

3つの事例に共通していること、それは…

X線は“全部ではなく、現場の要所に集中投入することで最大の効果を発揮する”

という点です。

もっと言えば、法人現場でX線探査が最も効くのは次の3つの条件がそろった瞬間です。

  • 位置の自由度が低い(動かせない点)
  • 失敗した場合の復旧が大きい(影響範囲が広い)
  • 利用者に迷惑がかかる(止められない施設)

この3条件が重なる場所に、ピンポイントでX線を投入する。
これこそが、コストと安全のバランスを両立する「法人工事の最適解」になります。

法人工事における“X線内部探査との正しい付き合い方”— 工程が止まらない現場づくりのための意思決定ガイド —

法人施設の改修では、「どこにX線を使うか」を適切に判断できる現場と、そうでない現場とでは、工期・コスト・安全性に大きな差が出ます
ここでは、工場・病院・学校・公共施設などの改修を多数行ってきた現場の傾向から、X線探査をどう意思決定に組み込めばよいかを“現場目線”で整理します。

■ ガイド①:図面が古い or 情報が不足している現場では早めに探査前提で動く

法人施設の多くは、建設から10〜30年ほど経過しており、次の問題が起きています。

  • 図面が更新されておらず現況と一致しない
  • 増改築や設備更新を繰り返していて内部ルートが複雑
  • 設備担当者が代替わりし過去の情報が引き継がれていない

このような現場では、「図面どおりに進まない前提」で工程を組むのが安全です。

特に注意すべきポイントは次のとおりです。

  • 地中梁が想定以上に張り出している
  • 設計時にはなかった電線管や通信配線が途中で追加されている
  • ダクト更新時に配管ルートをずらしていて、図面と異なる位置を通っている

こうした“ズレ”はほぼ確実に発生します。
よって、早い段階で「探査ありき」で計画を立てると後戻りがなくなり、工程が安定します。

ガイド②:穿孔後に影響が大きい場所は迷わずX線を選ぶ

影響が大きい場所とは、例えば次のような箇所です。

  • 医療ガス、非常用電源、空調制御、基幹通信に近い壁
  • 工場の基幹ライン周り(生産停止リスクが高い)
  • 体育館や講堂の主架構付近(梁や主要壁を貫通する可能性)
  • 大規模オフィスの縦配管ルート(誤配管は復旧コストが大きい)

これらは、「もし配管や鉄筋を切断したら、その日のうちに復旧できないリスクが高い」場所です。
少しのミスが全体の運用に影響するため、X線探査の費用より、失敗時の損失のほうがはるかに大きい領域です。

こうした箇所は、判断を迷わずにX線を選ぶべきポイントになります。

ガイド③:レーダーで“危険ゾーン”を抽出し、X線は重要地点に集中させる

レーダーとX線は対立する技術ではなく、組み合わせることで最大効果を発揮します。

レーダーの役割:全体把握(広い・早い)
X線の役割:確定情報(正確・安全)

現場として最も合理的な動きは次の流れです。

  1. レーダーで広範囲をスクリーニング
  2. “怪しいゾーン”を抽出
  3. 穿孔位置の自由度が低い箇所をピックアップ
  4. そのうち工事影響の大きいポイントだけX線で精査

これにより、

  • 調査コストが抑えられる
  • 工事の着手判断が早くなる
  • 穿孔位置の確定がスムーズ
  • 工程が乱れず進む

といったメリットが得られます。

ガイド④:探査の結果を“工程表・施工手順”に必ず反映させる

探査をしただけでは意味がありません。
重要なのは、探査結果に基づいて工程を組み替えることです。

反映すべきポイントは次のとおりです。

  • 穿孔の順番
  • 使用する機材の選定(湿式コア、低振動タイプなど)
  • 人員配置(高所作業車や監視員の投入タイミング)
  • 夜間・休日施工の最適化
  • 他工種との干渉回避(設備・電気・内装・通信など)

探査結果を工程に落とし込むことで、現場の“迷い”がなくなり、結果として安全とスピードが両立します。

ガイド⑤:X線画像は“工事の安心材料”として必ず保管・共有する

法人工事では工事の実施以上に、「どう安全を確認したか」が求められる場面があります。

X線画像は次のようなメリットがあります。

  • 管理者・施設側に安全性を説明しやすい
  • 完了報告書に添付することで信頼性が高まる
  • 竣工後に追加工事が必要になった際の資料として活用できる
  • クレーム対応時の証拠になる

つまり、X線探査は“施工のための調査”であると同時に、工事の信頼を支えるバックデータでもあります。

 X線を「どこで」「どう効かせるか」が現場の質を決める

ここまでの内容をまとめると、法人現場における最適な探査活用の考え方は次の通りです。

  • X線は全部に使わなくていい、要所に効かせると最大効果
  • 図面が古い建物では早い段階で探査前提の計画が必要
  • 影響の大きい“外せない点”は迷わずX線を選ぶ
  • レーダーと併用することで調査費用を抑え、精度を確保
  • 探査結果は工程に組み込み、施工と説明の両面で役立つ

つまり、X線探査は「ただ内部を見たいから使う技術」ではなく、“現場を止めずに工事を進めるための戦略ツール”です。

法人施設で改修工事を計画する際には、“どこでX線が一番効くのか”を意識して探査設計を行うことで、安全性、工期、コストのバランスが大きく改善されます。

ミヨシテックだからできる ― “止まらない工事” を実現するX線活用モデル

X線技術そのものはどの会社でも扱えます。しかし、「どこで使うべきか」まで設計して伴走できる会社は多くありません。
工場、病院、学校など法人向けの設備工事を長く手がけてきたミヨシテックでは、単に探査を行うだけでなく、工事全体が止まらないための“運用モデル”としてX線を位置づけています。

ここからは、他社の単発的な探査サービスとは異なる、ミヨシテック独自の運用手法を紹介します。

モデル①:施工班と探査班が“同じ目線”で現場を見る体制

一般的には、探査会社と施工会社が別であることが多く、以下のような課題が起こります。

  • 探査結果と実際の施工条件が噛み合っていない
  • 施工現場で図面解釈の食い違いが発生
  • 穿孔当日の段取りが合わず、再調整が発生

ミヨシテックは、探査と施工の両方を自社で行うため、次のようなメリットがあります。

  • 穿孔担当者が“どこが一番危ないか”を把握した上で探査を依頼できる
  • 探査員が施工の事情を理解しており、必要な情報を必要な形式で返せる
  • 当日になって「やっぱり位置をずらしたい」という場面でも迅速に協議できる

結果として、探査→判断→施工の流れが分断されず、現場が止まらない。

モデル②:X線画像を“判断材料”として扱う、現場主導の意思決定フロー

X線探査を“撮って終わり”にする会社もありますが、ミヨシテックでは探査結果を次の判断に必ず連動させます。

具体的な運用ステップ

  1. 仮ルートの設定
  2. レーダーで広域スクリーニング
  3. 危険ポイント抽出
  4. X線で最重要点を確定
  5. 施工手順の再構成
  6. 現場と発注者で意思決定
  7. 穿孔・設備工事を実施

X線の画像は「証拠」ではなく、 “現場を前に進めるツール”として扱います。
だからこそ、工事管理側の不安を減らし、現場の迷いを取り除く決断がスムーズになります。

モデル③:探査を“工程計画”に組み込むことで、工期のブレを最小化

一般的には探査は“工事の前にちょっとやる作業”と扱われがちです。しかし法人工事では、工期のブレこそ最大のリスクです。

ミヨシテックでは探査を工程計画に組み込み、次の効果を得ています。

  • 穿孔の順番や作業時間を最適化できる
  • 夜間作業・高所作業などコストの大きい作業を最小限にできる
  • 他工種との干渉が事前にわかり、工程の衝突を避けられる
  • “不測の中断”をほぼゼロに近づけられる

探査は“工程を守るための先行投資”。
だからこそ、後工程まで視野に入れた計画を作ることで、現場が乱れない工事進行を実現しています。

モデル④:法人現場に特化した「説明責任サポート」

工場・学校・病院では、工事計画よりも説明フローが重要になることがあります。

ミヨシテックでは、次のような“説明のしやすさ”に配慮した資料を提供しています。

  • X線画像(鉄筋・配管の位置を明確に示す)
  • 穿孔位置図(施工後のトレースにも使える)
  • 安全管理手順書(放射線管理・立入禁止区域など)
  • 探査報告書(承認フローにそのまま使用可能)

これにより、発注者側は関係部門や利用者に対して説明しやすくなり、承認のスピードが上がります。

“説明が整う=工事着手が早い”
法人現場では、ここが想像以上に大きい差になります。

最後に ― “止まらない現場”は、事前の見える化でしか生まれない

X線内部探査は、単なる調査技術ではありません。
工場・病院・学校・公共施設といった「止められない現場」で、施工を安全に、計画通りに前へ進めるための“現場マネジメントツール” です。

法人向け工事では、技術よりも次の要素が現場の命運を左右します。

  • 工期が乱れないこと
  • 稼働を止めないこと
  • 多部署への説明がスムーズであること
  • 利用者に迷惑をかけないこと
  • 追加工事や復旧工事が発生しないこと

これらの要素はすべて、「内部が読めているかどうか」で大きく変わります。

そのため、X線内部探査は“工事の前段階での保険”ではなく、現場を設計し、工程を守り、責任を持って完了させるための必須プロセス といえます。

ミヨシテックなら、“探査 → 判断 → 施工”を一本化してサポート

X線探査だけ、コア工事だけではなく、全体の流れを止めずに進めるために、以下を一貫して対応できます。

  • 探査・施工の両部門による連携体制
  • レーダーとX線を組み合わせた最適探査設計
  • 高所・夜間・重要エリアなど法人特有の条件に対応
  • 探査後の判断と施工計画の最適化
  • 発注者への説明負担を軽減する資料提供
  • コア工事、アンカー工事までワンストップ対応

X線が「正しく効く場所」に投入されることで、現場は止まらず、余計な手戻りも発生しません。

お問い合わせ ― まずは“どこに効かせるべきか”の相談から

X線内部探査は、使い方しだいで現場を大きく助けます。
しかし逆に、必要以上に使えばコストが膨らみ、必要な場所に使わなければ現場は止まります。

だからこそ、最初の一歩は 「現場を見て、どこにX線を効かせるべきか」 の判断です。

ミヨシテックでは以下を無料で相談いただけます。

  • この現場でX線探査は必要か?
  • どのポイントを撮影すべきか?
  • レーダーと併用したほうがよいか?
  • 穿孔計画と探査計画をどう組むべきか?
  • その日のうちに“探査 → 穿孔”まで可能か?

関西全域に対応し、工場・病院・学校・公共施設での豊富な実績があります。
「現場を止めずに確実に進めたい」法人担当者様は、どうぞお気軽にご相談ください。