2025.11.04
コンクリートの壁や床に、配管・ダクト・電線などを通すための「穴あけ工事」。
一見シンプルな作業に思えますが、実は建物の安全性や仕上がりを左右する繊細な技術です。
マンション・商業施設・工場などのリニューアル現場では、
既存の構造体や埋設配管を傷つけずに、正確な位置・角度で穿孔することが求められます。
そのニーズに応えるのが――「ダイヤモンドコア工事」。
「ハンマーで壊す」「ドリルで削る」といった荒い方法ではなく、
ダイヤモンド粒子を用いた特殊刃で、建物を傷つけずに寸法通りの穴をあける高精度な工法です。
特に近年は、
といった場面で需要が高まっています。
建物を壊さずに進めるリニューアル工事が主流になった今、「安全で正確に穴をあける技術」=ダイヤモンドコア工事は欠かせない存在です。
ダイヤモンドコア工事とは、コンクリートに円形の穴をあけるための精密な切削工法です。
刃先に人工ダイヤモンド粒子を埋め込んだ「コアビット」と呼ばれる筒状の刃を高速回転させ、コンクリートやモルタルを削り取るように穿孔します。
このとき、ダイヤモンド特有の硬度と耐摩耗性を活かすことで、鉄筋コンクリートでも正確に穴をあけることが可能です。
また、施工時には水を流して刃の冷却と粉じん抑制を行うため、粉塵や騒音が少なく、周囲の構造体への振動影響も最小限に抑えられます。
一般的に「湿式コア工法」と呼ばれ、清潔で安全な環境を維持しながら穿孔できるのが特長です。
ダイヤモンドコア工事は、建築・設備・土木など幅広い分野で活用されています。
主な適用箇所は以下の通りです。
主な用途は次の通りです。
つまり、「建物の内部に新しい通り道をつくる」ための工法であり、精度・静音性・安全性に優れた方法として、多くの現場で採用されています。
まず行うのが、コンクリート内部の確認です。
穿孔予定箇所に鉄筋・電線・配管などの埋設物がある場合、それらを切断してしまうと構造や安全に大きな影響を与えるおそれがあります。
そのためミヨシテックでは、X線による非破壊検査を用いて、鉄筋や配線の位置を正確に把握してから穿孔を行います。
この工程を省略せずに実施することで、工事中の破損トラブルを防ぎ、再施工のリスクを最小限に抑えることができます。
探査結果をもとに、実際のコンクリート面に穿孔位置をマーキングします。
図面や現場状況を照合しながら位置を決定。
誤差のないマーキングが、仕上がりの美しさと施工精度を左右します。
マーキングが完了したら、専用のダイヤモンドコアドリル機を設置し、固定具を用いて垂直を正確に出した状態で穿孔を開始します。
水を循環させながら刃を冷却・集じんする湿式施工により、粉塵がほとんど発生せず、静音で作業が可能。
マンションや商業施設など、稼働中の建物でも安心して行えます。
穿孔は直径25mm〜400mm程度まで対応可能で、現場条件に応じて機種を使い分けます。
穿孔完了後は、コア抜きで取り出した円柱状のコンクリートを回収し、開口部のバリ(削りカス)を除去。
必要に応じてモルタルで端部を整えたり、防水処理・止水処理を行ったりして仕上げます。
最後に、貫通穴の位置・角度・仕上がりを確認し、施工完了です。
ミヨシテックでは、撮影データや施工写真を報告書として提出することも可能です。
官公庁・ゼネコン案件にも対応できる体制を整えています。
このように、ダイヤモンドコア工事は “スピードと精度を両立した工法”。
非破壊検査とセットで行うことで、より安全・確実な施工が実現します。
ダイヤモンドコア工事が数ある穿孔工法の中で選ばれる理由は、精度・静音性・安全性・作業効率の高さにあります。
特にリニューアル現場や稼働中の建物では、周囲への影響を最小限に抑えながら正確に施工できることが大きな強みです。
ここでは、その代表的なメリットを紹介します。
ダイヤモンドコアビットは、コンクリートを叩くのではなく「削る」仕組み。
そのため、施工時の振動や騒音が比較的少なく、周囲の構造体を傷めません。
病院・学校・オフィス・マンションなど、人が生活・勤務している建物でも安心して作業が行えます。
「夜間でも騒音トラブルが起きにくい」という点も大きな利点です。
一般的なドリル穿孔に比べて、直径・角度・位置の誤差が極めて少ないのがダイヤモンドコア工事の特長。
図面通りに正確な貫通孔をあけられるため、配管・電線の通りが良く、後工程の施工がスムーズになります。
特に複数の貫通位置をそろえる必要がある大規模現場では、仕上がりの美しさと機能性の両方を実現できます。
ミヨシテックでは、X線探査から穿孔まで同日ワンストップで対応できるため、「探査→確認→穿孔→施工再開」という流れをその日のうちに完結できます。
これにより、現場の待機時間や段取りロスを大幅に削減できます。
湿式施工によって切削部を水で冷却するため、粉塵が舞い上がらず、周囲を汚しにくいのも特徴。
特に室内施工や設備室内などでは、清掃負担が軽く、他工種への影響を最小限に抑えられます。
作業後は吸水マットや集水機を用いて、周囲を丁寧に拭き取り、清潔な状態で引き渡します。
最も大きなメリットは、埋設物を切断しない安全性。
事前にX線による非破壊検査を実施することで、鉄筋や電線、配管などの位置を正確に把握したうえで穿孔します。
そのため、構造体の破損・断線・漏水などの事故を防ぎ、安心してリニューアル工事を進めることができます。
穿孔位置の変更や追加対応も、その場で柔軟に行えるのがメリットです。
X線探査で鉄筋が密集していた場合でも、映像を確認しながら位置を調整できるため、「想定外のやり直し」や「開口ミス」を未然に防ぐことができます。
これらの理由から、ダイヤモンドコア工事は
安全性・品質・スピードを重視する法人現場で欠かせない工法とされています。
どんなに優れた工法でも、正しい手順を踏まなければ想定外のトラブルや品質低下を招くおそれがあります。
ダイヤモンドコア工事も例外ではありません。
特に法人現場(オフィスビル・マンション・工場・公共施設など)では、安全性や近隣配慮が求められるため、以下の点を押さえておくことが大切です。
最も重要なのは、穿孔前の内部確認です。
コンクリート内部には鉄筋・配線・配管などが複雑に入り組んでおり、「見えないから」といって感覚的に穴をあけるのは非常に危険です
こうした事故を防ぐために、X線や電磁波による非破壊検査を併用し、埋設物の位置を正確に把握したうえで穿孔することが欠かせません。
コンクリートの厚みが極端に大きい場合(400mm以上)や、鉄筋が密集している箇所では、穿孔が難しいケースもあります。
また、既存構造物の劣化や中性化が進んでいる場合、切削時にコンクリートが割れる・剥離することもあるため、事前に現場調査を行い、施工可否を確認することが重要です。
湿式施工では水を使用するため、排水処理や周囲の養生が必須です。
特に室内や高層階では、下階への漏水事故を防ぐために、集水マット・バキュームポンプ・ビニールシートなどを使用し、水の流れを完全にコントロールします。
また、穿孔周辺の壁や床を傷つけないよう、作業範囲全体をシートで丁寧に養生することもポイントです。
ダイヤモンドコア工法は低騒音・低振動とはいえ、完全に無音ではありません。
静粛性を保つためには、以下のような配慮が求められます。
また、粉塵が出にくいとはいえゼロではないため、施工後の清掃を徹底し、現場をきれいに保つことが信頼につながります。
穿孔が終わった後、開口部の防水処理を怠ると、雨水や結露による浸水・漏水の原因になります。
特に外壁・屋上・浴室・厨房など、水を扱う場所では、止水材やシーリングによる処理を必ず行いましょう。
ミヨシテックでは、穿孔後の仕上げ補修・止水処理まで一貫して対応可能です。
法人現場では、「誰が、どこに、どのように穿孔したか」という記録が求められます。
特に官公庁・ゼネコン案件では、施工写真や探査データの提出が必須です。
ミヨシテックでは、
これらをセットで納品することが可能。
エビデンスを残せる施工体制が、安心と信頼につながります。
このように、ダイヤモンドコア工事では「削る」技術以上に、「守る」配慮と「記録する」管理が重要です。
ダイヤモンドコア工事は、精度の高い専門技術を要するため、費用は穴のサイズや厚み、現場条件によって変動します。
しかし、適切な手順で安全に施工することが、結果的に最もコストを抑える方法です。
ミヨシテックでは、X線による非破壊検査とダイヤモンドコア工事をワンストップで対応しています。
この「同日対応」ができることで、現場には以下のメリットがあります。
つまり、非破壊検査とコア工事を別々の業者に依頼するよりも、工程が短縮され、コストも抑えられ、安全性も高まるという三拍子のメリットが得られます。
ダイヤモンドコア工事は、単なる「穴あけ」ではなく、建物の安全性と施工品質を守るための専門技術です。
非破壊検査と組み合わせることで、見えない内部も把握し、鉄筋や配管を損傷せずに精密な施工を実現できます。
ミヨシテックでは、X線探査からコア穿孔、仕上げ、報告書提出まで一貫して対応。
建物を守りながら、効率的で安全な工事をお約束します。