2022.07.07
本コラムをご覧いただいているということは、お住まいのカビにお困りではございませんか?本コラムではそんなカビに関するのお困りごとを解決すべく、すぐに取り組めるカビの除去法をご紹介いたします。
キッチンなどのお掃除に便利な重曹ですが、消毒用アルコールと併用することで、カビの根から除去することができるようになります。
そもそもなぜ重曹によって油汚れや皮脂汚れが落とせるのか、その理由は3つあります。
1.重曹(炭酸水素ナトリウム)は水に解けにくい塩であり、硬すぎず柔らかすぎないので、歯磨き粉のように対象物を研磨しつつも傷つけにくい性質があるため
2.重曹の水溶液はわずかにアルカリ性を示し、その際に生じる水酸化物イオン(OH⁻)が脂肪やタンパク質と反応し加水分解してしまうため
3.脂肪を加水分解することでできる脂肪酸のナトリウム塩(石鹸の主成分)が水に解けない油分を乳化して浮かせて落とすため
しかしながら、重曹だけではカビを根絶することはできません。
なぜならば、目に見える状態まで成長したカビの集団はしっかりと根を張っており、目に見える部分(胞子)を重曹の研磨作用によって見える部分をこすり落とし、菌糸を加水分解できたとしても根は残ってしまうためです。
そこでアルコールの出番です。
アルコールはカビの細胞壁に浸透し細胞膜を破壊することができるため、カビ取りに有効とされていますが、すぐに揮発してしまうため増殖しすぎたカビでは、その一部しか除去できません。そこで重曹での掃除の後に消毒用アルコールを含ませた布巾などで拭くことによって、カビの根までアルコールが届きやすくなるため、より多くのカビを除去することができます。
また、畳やフローリング、木材など重曹が使えない箇所においては、アルコールのみでの掃除も有効です。
すぐに揮発してしまう性質に関しても、アルコールを含ませたキッチンペーパーなどの上からラップをすることで揮発するのを防ぎ、殺菌効果を高く保つことができます。
ただし、アルコールには漂白作用はないため、アルコールでは黒ずみをとることができません。
壁のカビについては壁の種類によって対応が異なります。
壁(ビニールクロス)のカビにおいては、発生初期ならばアルコール拭き掃除で対処可能ですが、時間がたって広範囲に広がってしまったカビに対しては、換気を行い、目立たない場所で試し塗りをした上で、粘度が高い塩素系漂白剤(ジェルタイプのものなど)塗布することをお勧めします。換気をしっかりとした上で、30分ほど放置した後、雑巾で水拭き(液剤を残さないため)と新しい雑巾で乾拭き(水気を残さないため)を行い、換気をしてしっかりと乾燥させてください。
作業を始める前から壁が盛り上がっている場合は、クロスの裏側にカビが生えている可能性が高いため、いち早くご相談ください。早期の対応で施工費用を抑えることができます。
※作業を行う際は、ゴム手袋、マスク、ゴーグルをした上で、色落ちしてもよい服装で作業を行ってください。
※塩素系漂白剤では重曹やアルコールよりも強力にカビの除去を行う反面、色落ちや素材を傷めてしまう可能性があるため、取り扱いに注意が必要です。
液体を使えない壁(土壁・紙クロス・布クロス)のカビではこまめに帯電式もしくは化学式モップを用いて埃を取った後、軽くアルコールを吹きかけて換気をすることで除去可能です。
※アルコールの吹きかけすぎには注意しましょう。
水回りのカビに関しては塩素系漂白剤を吹きかけた後、キッチンペーパーを貼り付け、その上から塩素系漂白剤を塗布し、ラップで蓋をして30分ほどおいておくことで除去することができます。(必ず換気を行ってください。)ラップをはがした後は水で洗い流す。もしくは濡らした雑巾でふき取り、乾拭きをして水気をふき取ることで作業完了です。天井にカビが生えている場合、そこから汚染が広がり続けるため、天井に生えている場合は念入りに行う、もしくは我々のようなプロにお任せください。
※作業を行う際は、ゴム手袋、マスク、ゴーグルをした上で、色落ちしてもよい服装で作業を行ってください。
※天井の作業を自ら行われる場合は特に注意を払って行ってください。
ここまでカビの対処法をご紹介してきましたが、煩わしいと感じる方が大半だと思います。しかしながら、放っておくと取り返しのつかない状況や我々業者に依頼せざるを得ない状況になりかねませんので、早め早めの対処をお勧めいたします。そして、カビが生える前の対策として入浴時以外のお風呂の換気や使っていないお部屋の除湿、窓の結露のふき取りや帯電式モップを用いた小まめな埃取りなどを定期的に行っていただければ、格段にカビが生えにくくなりますので、是非ともお試しください。最後までお読みいただきありがとうございました。