2024.12.16
昨年に引き続き、第2回社内DX発表会を執り行いました。
昨年記事はこちら↓
弊社では2022年7月に初めてDX認定を受け、2024年にDXセレクション企業に選定されました。システムに特化した部署以外の部署、社内全体で日々業務効率化の向上に努めております。今年からは新たにFCEプロンプトゲートというツールやキーエンスKIなどのITツールも導入し、業務改善に取り組んでいます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、データやデジタル技術を活用して企業の仕組みを変え、競争力を高めていく取り組みのことを指します。また、DX認定は、DXを実現するための準備が整っている企業を認定する制度です。
現在の日本では、DXの取り組みがアメリカほど進んでおらず、人材の不足やデータの整備が不十分であることが課題として挙げられています。
日本のDX認定企業は、2023年12月には1,104社でしたが2024年11月現在1,830社が認定を受けています。
大企業と中小企業がほとんどの割合を占めていますが、小規模企業、個人事業主も0ではありません。
DX認定を取得している企業の業種は、情報通信業についで製造業が多く、弊社は建設業なので、151社の中の1企業となります。DX認定はどの業種でも幅広く取得することができるんですね。
DXセレクションは、DXに取り組む中堅・中小企業の中から、他社の模範となる優れた事例を経済産業省が選び、紹介する制度です。この取り組みは、DX推進の参考となる成功例を広めることで、中堅・中小企業全体のDX推進や地域の活性化を目指しています。
例えば、上場企業向けの「DX銘柄」では大企業の事例が多く、中堅・中小企業にとって参考にしづらいという課題がありました。これを解決するため、2021年度から中堅・中小企業を対象にした「DXセレクション」が開始されました。この制度を通じて、業界や地域でのDX推進の良い例が共有され、多くの企業が自社のDX推進に役立てることが期待されています。
今年も第2回社内DX発表会の内容を少しだけご紹介します。
投票で1位2位の部署が選ばれ、今年ももちろん賞金が贈られました!ミヨシテック各部署が取り組んでいる業務改善を上位2部署の内容をちら見せしちゃいます。
部品発注の管理をデジタル化しました。
数年前、部品の発注方法を覚えた私は部品発注作業が嫌いでした。その理由は、以下の課題のせいでした。
すべて紙管理。。。部品が何個あろうとも一つ一つ手書きで記入し管理していました。
記入するのにかかる膨大な時間……色んな人が注文し記入するので書き忘れも多発し、誰が注文したかの犯人捜し……
そんな面倒で厄介な作業でした。
はじめに取り組んだのはスプレッドシートの使用です。
紙を使わなくなるし画期的だ!……とその頃は考えておりkintone(弊社で利用しているクラウド型基幹システム)をよく知らず触ろうともしなかった私は早速スプレッドシートを作成しました。
スプレッドシートを完成させ紙から脱出できたと喜んでいた私。
結局一つ一つ記入しないといけない、記入漏れがあれば意味がない…と欠点は見えていたものの、ペーパーレス化は出来たからと放置しておりました。
しかしある日衝撃の事実が発覚。
全拠点書き方がバラバラ!!
なんとそれぞれの事務所が各々でスプレッドシートを作成しており、何もかもがバラバラでした。
正直物凄くめんどくさい!!!
ここでkintoneでアプリを作成することを決心。色んな方にサポートしてもらいながら早速実行しました。
CSVデータを取り込むだけで担当者、現場名、入荷場所、注文番号、注文日、部品コードなど……全てkintoneに反映するようにしました。作成したのはマスタアプリと発注記録アプリだけ。もっと早くにkintoneでアプリを作っていれば……と後悔するほど作業が楽になりました。
モヤモヤしていた事が全て解決!さらにkintoneアプリで色々な事が出来るのを学べました。
まだまだ私には見えていないだけでアプリ・自動化した方が良い業務はたくさんあると思います。
これからも色んな方にサポートしてもらいながらさらにミヨシテックが成長していくよう、私自身も成長していきます!
Q1.建築設備部で共通管理アプリとして作成されたということですが、それによって各拠点間で不足部品の貸し借りも効率化されたのでしょうか。
A1.はい。部品を注文した人の名前もわかるので、その人に聞いて(直接またはkintone内チャット機能)からの貸し借りが簡単になりました。
Q2.なぜ他部署を巻き込んで取り組もうと思ったのか、また、巻き込んで取り組んだことに苦労はありましたか。
A2.私一人だけで取り組んでしまうとほかの人の考えがわからないと思ったからです。最初に作ったアプリを池田営業所の事務スタッフや建築設備部部長から「もっとこうしたものを作ったほうがいいよ」など意見をいただき、私にはない考えだなと感じ、システム課を巻き込んで相談して取り組みました。正直巻き込んで取り組むことに関して面倒は感じなかったです。もっといいものを作ろうという気持ちで挑みました。
普段の業務で「必要」でありながら出来ていなかった業務をRPA に代行してもらい、新着物件の把握漏れをなくすこと、それによりガス工事を確実に工程通り進められるようにすることを目的として取り組みました。
上記の結果、ガスの引き込みにどんな許可申請が必要かを大阪ガスのシステムで調べてきたが、道路の許可申請に時間がかかりガスの引込工期がギリギリになることがこれまでにも何度も起きていました。
さらにその結果・・・
2023年7月、「M様邸」にて対応が遅れ、物件に関わる社員全員に迷惑がかかった事案が発生しました。
また、 大阪ガス担当者と7/24~9/22で17通のメールやりとり+都度の電話のやり取りで、他の業務ができないほど対応に追われました。
「M様邸」も、前もって製品メーカーの現場情報システムでチェックしておけば先手を打てたはずでした。
このようなトラブルを二度と起こさないためには確実な新着物件チェックが必須でした。
しかし 手動ではまた後回しになってしまい、抜けが発生する可能性があると考え、RPAに新着物件をチェックしてもらい、通知するシステムを作ることにしました。
RPAの作成に伴い、製品メーカーシステム内の貴社管理番号という項目に注目し、kintoneのお客様情報に登録するときに「ハウスメーカー お客様ID」欄に入力しておくようにしました。
RPAに「貴社管理番号」を記憶してもらい、kintoneにその番号が登録されているか照合してもらいます。照合の結果、なかった番号が設計者のメールアドレスに送信され、設計者は飛んできた管理番号の物件をkintoneに登録し、大阪ガスのシステムを送り道路許可の申請に必要な業務を先行して行うようになりました。
製品メーカーのシステムをチェックしておいた方が良いとは施工管理者も設計者も分かっていましたが、業務に追われてできていませんでした。しかしRPAに代行してもらうことで、新着物件を漏らさずにチェックできるようになりました。
時間としての成果は手動でのチェックでは1ページ15件で約15分かかっていました。RPAでのチェックでは実行ボタンを押して約1分で新規物件の通知が来るため、1回14分×月3回行うので年間約504分短縮できました。
時給2,000円として年間16,800円の人件費削減になります。
また、時間いかえられない成果といたしましては、RPA作成以降「ガスの引込が間に合わない」という事態は抑えられており、時間の短縮より工程が問題なく進むメリットの方が大きいと感じました。RPA実行のタイミングをあらかじめkintoneに登録しておくことで、ガスオーダーを作成するときに「お客様情報を1から作る」ストレスからも解放されました。
システム課の助けをかりながらとは言え、初心者の自分が1からRPAを作成するのは大変でした。普段の業務に追われながらなので正直しんどかったですが、絶対に運用させたいRPAだったので頑張れました。完成してみるともはやRPAなしでは業務がまわらないほど助かっています。
今回の取り組みはハウスメーカー様の物件に特化したものでしたが、同様にポータルサイトを利用している工務店様などにも応用できるのではないかと考えております。
現在はお客様情報のご住所や貴社管理番号が手打ちなので、ポータルサイトの内容が充実していればkintoneお客様情報の自動登録をしたいと思っています。
Q1.RPAにチャレンジするのは大変でしたか?システム課にRPA作成を依頼せずにどうして自分でやろうと思われましたか?
A1.大変でした。自分が業務を一番分かっているので自分で作ろうと思いました。システム課と時間を合わせて隣で作業し、わからないところは聞くという方法で取り組みました。
Q2.主業務がある中で、新しいことを学びながらやるのにどれくらい時間かかりましたか?
A2.3~4か月かかりました。
ここまで上位2部署の事例をご紹介しました。
弊社のDXへの取り組みはまだまだございます。RPAの事例については下記のコラムもご覧ください。
ロボパットを使ってみた! ミヨシテックのRPA魔術師の技を披露!
もっと!ミヨシテックのRPAロボパット活用術!
RPAでkintoneをどう活かす? kintone AWARDファイナリストが教える合わせ技
弊社のDX見学会では、ここで紹介した改善事例だけでなく、各部署を回ってたくさんの取り組みについてご紹介しております。また、kintoneとRPAの体験もしていただけるようにご用意しております。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。